「空中タクシー」やHyperloopの導入も検討

 RTAは、地上を走行する自動運転車だけでなく、自動飛行するマルチコプター(複数のローターを搭載したヘリコプターの一種)を使った「空中タクシー」である「Autonomous Air Taxi(AAT)」サービスの導入を検討している。2017年第4四半期からUAE内で試験飛行がスタートしており、約5年間実証した後、本格実用化する計画だ。

 採用したマルチコプターは、独Volocopterの「Volocopter 2X」(図5)である。2人乗りで、18個のローターを持ち、時速50kmの巡航速度の場合、最大で約30分の飛行が可能だ。最大飛行速度は時速100kmという。9系統の独立した蓄電池システムなどで冗長性を確保している。

図5 ドバイの街を自動試験飛行するマルチコプター「Volocopter 2X」は空中タクシーとしての用途を見込んでいる(出所:RTA)
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 ドバイはまた、次世代交通システムとして、100Pa程度に減圧したチューブ内を車両が空中浮上して時速1220kmで進む「Hyperloop」の採用も検討している。Hyperloopを開発する米Virgin Hyperloop OneとRTAが共同でプロジェクトを推進しており、まずは2020年から2021年にかけて開催される「ドバイ国際博覧会(Expo 2020 Dubai)」に合わせて、ドバイ-アブダビ間に敷設する計画である。

 ドバイ-アブダビ間は自動車ならば1時間半かかるが、Hyperloopならば約12分に短縮でき、1時間に1万人を輸送できるという。将来的には、ドバイとサウジアラビアのリアド間にHyperloopを建設する構想もあり、飛行機で2時間半かかるところを50分で到着できると見込む。

 RTAは、2018年2月にドバイ-アブダビ間で運行するHyperloopの車両(Pod)(図6)と内部を公表した(図7)。

図6 ドバイで発表されたHyperloopの車両(出所:RTA)
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図7 Hyperloopの車両内部。10人乗りでゆったりとした座席配置になっている(出所:RTA)
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10人乗りでゆったりとした座席配置になっている。コントロールセンターから運行を制御する自動運転で、乗客はスマートフォンのアプリケーションから他の交通手段と合わせて最適な方法を検索でき、Hyperloopの座席も予約できる(図8)。

図8 Hyperloopの利用者向けアプリケーション画面。ドバイ-アブダビ間の交通手段が複数表示され、Hyperloopを選択すると座席予約が可能になる(出所:RTA)
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