給電ケーブル車が自動走行、遠隔操作で接続

 船舶が持つ給電用のコネクターに接続するためのケーブル管理システムには、港湾作業者が扱いやすいように工夫を加えた。

 例えば給電ケーブル。普段は埠頭にある倉庫に収納されている(図5)が、船舶が接岸し給電を開始する際には、約300mにわたって埠頭上を自動走行する(図6)。地域配電網と接続するケーブルは、埠頭の地下に収納され、乗客の乗降や荷物の積み降ろし作業の邪魔にならないようにしている。倉庫やケーブルは、高潮でも耐えられる耐久性を持たせているという。

図5 ケーブルシステムを収納する倉庫(撮影:日経BP総研 クリーンテックラボ)
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図6 ケーブルを船舶に接続するためのロボットアームを搭載している移動車(出所:Siemens)
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 船舶側の給電用コネクターは、船舶によって位置がまちまちであり、潮位によっても高さが変わってくる。ケーブルシステムはその位置を検知して接続作業を行う(図7)。

 給電ケーブルのコネクターは、ロボットアームの先端に取り付けられており(図8)、遠隔で操作する。同システムには電力用のほかにも船舶とOPS施設を結ぶ通信用のケーブルが組み込まれており、監視すると共に制御できるようにしている。

図7 ケーブルを船舶に接続している様子(出所:Siemens)
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図8 ロボットアーム先端に取り付けられたコネクター(出所:Siemens)
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 このケーブル管理システムは、Siemensと独Stemmann Technikが共同で開発した。開発したOPSとケーブル管理システムは、国際標準規格であるIEC/ISO/IEEE 80005-1 (埠頭と船舶間の中圧接続)とIEC 62613-2 (コネクターおよびソケット)に適合しており、同規格に基づいた他社のOPS設備と互換性を持たせている。これにより、世界中の港湾で使うことができる。