船舶が接岸してケーブルを接続した後は、HPAの担当者と船舶の担当者が通信ケーブルを通して連絡し合い、共通のインターフェースを見ながら、給電作業を行う。

 HPAのコントロールセンターは、船舶の電力メーターなどから情報を取得する。周波数を確認して、スイッチギアを閉じて電力を流し、船舶はディーゼルエンジンを停止させる。接続・給電作業はすべて自動化されているという。

 ユーザーインターフェースを使いやすくし、自動化を進めたことにより、給電作業はすべてHPAの担当者自身が行っている。SiemesはOPSのメンテナンスは定期的に行っているが、担当者は常駐していない。「HPA向けに2日間研修を行っただけで、自ら操作できるようになった」(Siemens)という。

船舶オーナーの経済メリットを追求へ

 ハンブルク港に寄港するクルーズ船がOPSにより電力供給を受けるには、船舶側にスイッチギアと接続用コネクターなどの専用設備が必要である。そのために新たに設備投資をしなくてはならず、まだ一部の船舶に留まっている。

 理由としては、ハンブルク港以外の港では導入されていないために、設備投資を回収するのが難しい点が挙げられる。停泊中の電力供給によりディーゼルエンジンを止めることによる燃料費の削減効果や、静粛になることによる作業環境の改善などのメリットがあるものの、初期投資分をカバーできないと考える船舶オーナーがまだ多いという。

 OPS対応の設備を導入した代表的なクルーズ会社としては独AIDA Cruisesがある。同社のクルーズ船は、欧州ではハンブルクのほか、アムステルダムやロンドンに寄港するが、ハンブルク以外ではOPSが使えない。

 このためSiemensは、「多くの港にOPSを導入してもらい、船舶のオーナーにとって経済メリットが出るような環境を整えたい」という。実際、同社はノルウェー、中国、シンガポールなどで、今回開発した最新のOPSを導入する商談を進めており、クルーズ船も含めた各種の船舶に対応するOPSの普及を進めたいとしている。