バーモント州の企業が設計・施工を担当、米国製の設備・部品を採用

 同プロジェクトの設計や施工を同州の企業に任せ、設備・部品は米国製を使って地域経済に貢献しようとしていることも特徴である。

 鉛蓄電池は米Enersys、リチウムイオン蓄電池は米Tesla Motors製で、エネルギー管理システムやPCS(パワーコンディショナー)、接続箱、集電箱などの電気関連設備はバーモント州に本社を持つDynapowerが担当した(図3)。集電箱は48個設置し、各パネルの状況をモニターする通信設備を設けスマート化している(図4)。

図3 「Stafford Hill Solar Storage Farm」に設置されたPCSと蓄電池システム。両側の緑色のコンテナがそれぞれリチウムイオン蓄電池と鉛蓄電池(撮影:日経BP総研 クリーンテックラボ)
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図4 通信機能を備えた接続箱(撮影:日経BP総研 クリーンテックラボ)
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 メガソーラーのEPC(設計・調達・建設)も同州のgroSolarが担当した。太陽光パネルは米Sunivaのシリコン単結晶パネル(図5)、架台は、埋め立て地跡であるためコンクリートブロックの置き基礎で、米Patriot Solar Groupが製造した(図6)。

図5 シリコン単結晶の太陽光パネル。設置角度は15度(撮影:日経BP総研 クリーンテックラボ)
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図6 コンクリートブロックの置き基礎(撮影:日経BP総研 クリーンテックラボ)
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 7722枚の太陽光パネルから2系統に分けて集電され、それぞれ接続箱を経由して、1系統はPCSとリチウムイオン蓄電池が入ったコンテナに、もう1系統はPCSと鉛蓄電池が入ったコンテナに入力される。各コンテナではPCSと蓄電池が相互にやり取りしながら、配電網への逆潮流や災害時のアイランディングを最適運用している。なお、鉛蓄電池はエネルギー容量が大きいために、災害時の長期の電力供給やGMPのピークカットなどに使われている。リチウムイオン蓄電池は素早い応答性を利用して、ISO New England のアンシラリー市場に参加して対価を得ている(図7)。

図7 2016年8月12日における「Stafford Hill Solar Storage Farm」の太陽光発電出力、鉛蓄電池、リチウムイオン蓄電池の充放電。青色が太陽光発電で昼間に高出力になる。赤色が鉛蓄電池で、主に昼間に太陽光発電を充電し、夕方のピーク時に放電してピークカットしている。緑色がリチウムイオン蓄電池で、アンシラリー市場向けに細かい充放電を繰り返しており、夕方のピーク時にはピークカットのために放電もする(出所:GMP、Sandia National Laboratories)
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 GMPとラトランド市、バーモント州当局は、「Stafford Hill Solar Storage Farm」の稼働状況を検証した結果、経済面やレジリエンス向上面で有効性が確認されたとしており、同州全域の変電所に、蓄電池併設システムを建設する計画を持っている。