「Future City Glasgow」のウェブサイト

 英国スコットランド最大の都市、グラスゴー市が2013年にスタートさせたスマートシティプロジェクト「Future City Glasgow」が順調に成果を上げつつある。

 同プロジェクトを資金面で支援してきた英国政府の研究資金助成機関であるInnovate UKは2017年11月、「2400万ポンド(約34億8000万円)の資金を投入したプロジェクトの成果として、1億4400万ポンド(約209億3800万円)の経済効果を得た」と発表した。

 1億4400万ポンドという金額は、産業振興など地域経済を活性化させた効果やエネルギー削減、作業の効率化によるコスト削減分などを合算したものだ。

 もう少し細かく特徴的な取り組みを見てみると、交通コントロールセンター「Glasgow Operations Centre」の稼働によって、交通管制関連の作業を効率化できた。節約効果は500万ポンド(約7億2500万円)。「スマート街灯システム」では、街灯のエネルギー消費量を68%削減できた。また同プロジェクトに参加した中小規模のベンチャー企業の63%が新規ビジネスを獲得できたとしている。

 Innovate UKは、補助金に対する投資収益率が目標を達成したとみており、「グラスゴー市は世界をリードするスマートシティになった」と評価している。

異なる2つの監視システムを統合・効率化

 「Future City Glasgow」は、交通管制、犯罪防止、公共交通機関運営、スマート街灯システム、エネルギー管理など広範な分野に及ぶ都市計画である。

 補助金を使った最初の成果は、2014年に稼働を始めた新しい交通コントロールセンター「Glasgow Operations Centre」である(図1)。特徴は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)によって市内で集めた各データを一元的に管理できる点である。

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図1 Glasgow Operations Centre(出所:Glasgow City Council)

 一例が、市内の状況を絶えず見られる監視システムで、500台以上のカメラを市内に配備してある。元々、市内の交通管制を担当するCity’s Traffic Management Services(Traffcom)が交通監視カメラを、市内の治安を担当するGlasgow Community & Safety Services (GCSS)がCCTVカメラをそれぞれ別々に導入・運用していたが、そのをコントロールセンターを統合し、カメラを共有した。さらに、高性能なデジタルカメラを増設することによって、効率的に市内における監視のカバー範囲を拡大している。