シティブランド・ランキング ―住みよい街2017―

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「住みよい街2017」TOP10自治体が評価された理由

上位10自治体の強み、弱みが分かる――32項目別スコアを公開

渡辺 博則=日経BP総研 ビジョナリー経営研究所【2017.11.15】

働く世代2万人を対象に実施した、2017年のシティブランド調査「シティブランド・ランキング ―住みよい街2017―」。TOP10となった自治体は、「住みよい街」として、どのような強みを持っていたのだろうか。以下、住みよい街として評価された理由を、上位10位までの自治体について、それぞれ見ていこう。

 今回の調査では、全国のビジネスパーソン(有職者=働く世代)を対象に、実際に住んでいる/直近で住んでいた街(全国の市および東京23区)に対する「住みよさ」について、インターネット調査を実施。「安心・安全」「快適な暮らし」「生活の利便性」「生活インフラ」「医療・介護」「子育て」「自治体の運」「街の活力」の8分野、合計32の評価項目について調査・集計してランキングを作成した。対象となったのは、回答者の合計が20人以上となった325市区。それでは以下で、住みよい街として評価された理由を、TOP10の自治体について順に見ていこう。

同率1位 守谷市(茨城県)

 守谷市は、ほかのTOP10の自治体の評価傾向と比べると、8分野でまんべんなく評価を上げている「バランス型」ということができそうだ。すべての分野がスコア(偏差値)60以上となっている。「生活の利便性」分野の「物価が安い」(項目1位)や、「快適な暮らし」分野の「公園が多い」(項目2位)などが、特に評価の高い項目となった。

総合同率1位の守谷市。茨城県南部、千葉県との境に位置し、人口は約6万6000人。大手デベロッパーによる大規模宅地開発により東京のベッドタウンとして発達した。2005年の「つくばエクスプレス」開業などにより開発がさらに進展。(地図作成:TSTJ.inc)
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●守谷市の評価
※8分野および32の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。

同率1位 武蔵野市(東京都)

 武蔵野市は、分野別では「街の活力」「生活インフラ」の分野に大きな強み。「街の活力」分野では「街に愛着がある」で項目1位。ほかの項目の順位も高い。また「生活の利便性」分野の「買い物がしやすい」と、「生活インフラ」分野の「図書館や公民館などの文化施設が充実している」で項目1位。「快適な暮らし」分野は、公園の多さについての評価は高い一方、「街が静か」という項目についての評価はスコア50を切った。

総合同率1位の武蔵野市。東京都の多摩地域東部、東京都区部との境に位置し、人口約14万6000人。早くから市民参加を掲げて先進的な市政で知られる。コミュニティバスの先駆けとなった「ムーバス」、井の頭恩賜公園などは有名。(地図作成:TSTJ.inc)
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●武蔵野市の評価
※8分野および32の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。

同率1位 大野城市(福岡県)

 大野城市は、「生活の利便性」「生活インフラ」「医療・介護」「子育て」「街の活力」といった分野で高評価。特に子育て関係では「保育所や幼稚園が充実している」と「子供向けの体育・文化活動が盛ん」で項目1位。さらに「小児科・産婦人科が多い」の項目でも1位となり、子育て分野の強さが光る。

総合同率1位の大野城市。福岡県中西部の筑紫地域に位置し、人口は約10万人。福岡市東南部(博多区)に接しており、福岡市のベッドタウンとして発展している。人口も伸び続け、2016年8月に10万人を超えた。(地図作成:TSTJ.inc)
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●大野城市の評価
※8分野および32の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。

第4位 長久手市(愛知県)

 長久手市は、「街の活力」と「安心・安全」分野に強く、ほかの分野の評価も比較的高いバランス型。「街の活力」分野では「地方自治に対する住民の意識が高い」が項目2位、「安心・安全」分野では「自然災害が少ない」が項目2位で、ほかの項目の評価も高い。「行政からの情報発信」の項目も1位。

総合4位の長久手市。愛知県北西部に位置し、人口は約6万人。名古屋市のベッドタウンとなっており、古くは天正年間に「長久手の戦い」が行われた。日本初のHSST(磁気浮上式鉄道)の愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)が通る。(地図作成:TSTJ.inc)
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●長久手市の評価
※8分野および32の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。

第5位 文京区(東京都)

 文京区は、「街の活力」や「安心・安全」、「生活インフラ」などの分野に強みを持ち、自然環境など「快適な暮らし」分野ではあまり強くない都心型。強みとなる「安心・安全」分野では「治安がよい」が項目3位で、ほかの項目も軒並み高評価。さらに「子育て」分野の「教育機関が充実している」は項目1位だ。

総合5位の文京区。東京23区の中央北部に位置し、人口は約22万6000人。東京大学などを擁する文教の街、住宅の街。明治より多くの文化人、著名人が集った。東京ドームや後楽園、六義園、石川植物園なども有名。(地図作成:TSTJ.inc)
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●文京区の評価
※8分野および32の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。

第6位 千代田区(東京都)

 日本の首都・東京の顔となる自治体ともいえる千代田区は、まさに都心型。「安全・安心」分野の「防犯対策が整っている」と、「快適な暮らし」分野の「職住接近が可能である」、「生活インフラ」分野の「公共交通機関が充実している」、「医療・介護」分野の「夜間・緊急医療体制が整っている」は、いずれも項目1位。一方、「快適な暮らし」分野への評価は総じて低かった。

総合6位の千代田区。東京23区のほぼ中央に位置し、人口は約6万1000人。区の中央に皇居があり、区域は徳川幕府の本拠地だった「江戸城」外濠にほぼ沿った形。明治維新以降も官庁街を抱え続ける、まさに東京の中心地。(地図作成:TSTJ.inc)
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●千代田区の評価
※8分野および32の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。

第7位 浦安市(千葉県)

 浦安市は、「街の活力」や「生活インフラ」などに強みを持つ。また、「子育て」分野の「自治体による出産・育児・子育て支援が充実している」と、「自治体の運営」分野の「行政サービスが充実している」で項目1位。東京ディズニーランドなどを抱え、文化施設の充実なども高い評価。評価が低かったのが「自然災害が少ない」「自然環境が豊か」の2項目。いずれもスコア30台にとどまっている。

総合7位の浦安市。千葉県北西部の葛南地域に位置し、人口は約16万8000人。東京ディズニーリゾートを擁することで全国的に有名。計画的に開発されており、東京都心へのアクセスも良く、人気の住宅地に。(地図作成:TSTJ.inc)
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●浦安市の評価
※8分野および32の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。

第8位 国立市(東京都)

 国立市は、「街の活力」や「安全・安心」などの分野に強み。「街の活力」分野では「街のイメージがよい」「地方自治に対する住民の意識が高い」の2項目で1位、「街に愛着がある」の項目で2位。また「子育て」分野にも特徴があり、「教育機関が充実している」と「子供向けの体育・文化活動が盛ん」で項目2位。評価が低かったのが「生活の利便性」分野。すべての項目が100位以下にとどまった。

総合8位の国立市。東京都の多摩地域に位置し、人口は約7万5000人。大正時代以降、一橋大学を中心とする学園都市構想に基づき開発が進展。1952年に東京都で初めて「文教地区」の指定を受けたことでも知られる。(地図作成:TSTJ.inc)
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●国立市の評価
※8分野および32の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。

第9位 浦添市(沖縄県)

 浦添市は、「医療・介護」や「街の活力」などの分野に強みを持ち、那覇市に隣接。「医療・介護」分野では、「夜間・緊急医療体制が整っている」「小児科/産婦人科が多い」の2項目で2位。このほか、「子育て」分野でも「自治体による出産・育児・子育て支援が充実している」の項目などで高評価を得た。

総合9位の浦添市。沖縄県の沖縄本島南側に位置し、人口は約11万4000人。歴史的にも古い、琉球王朝発祥の地。那覇市に隣接し、人口が増え続けてきた。規模的には那覇市、沖縄市、うるま市に次ぐ沖縄4番目の都市。(地図作成:TSTJ.inc)
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●浦添市の評価
※8分野および32の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。

第10位 福岡市(福岡県)

 福岡市は、「街が静か」といった「快適な暮らし」分野では弱いものの、「生活の利便性」や「街の活力」分野に強みを持つ。「生活の利便性」分野では、「物価が安い」「買い物がしやすい」の2項目で3位。また「街の活力」分野でも、項目3位の「街に活気がある」をはじめ、他の項目も高評価を得ている。一方で「安全・安心」「快適な暮らし」分野では、スコアが50を切る項目も見られた。

総合10位の福岡市。福岡県の西部に位置する県庁所在地で、人口約156万3000人の政令指定都市。九州地方の行政・経済・交通の中心地であり、人口は日本の市で5番目に多い。(地図作成:TSTJ.inc)
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●福岡市の評価
※8分野および32の評価項目のスコア(数値)は偏差値。項目別でTOP10以内の場合は赤い数字で示した。

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