「過積載」による余剰電力で水素製造を

萩原 国内メガソーラーの多くは、連系出力を上回る容量の太陽光パネルを設置する「過積載(積み増し)」が一般的になっています。これも発電ピーク時に系統の受け入れ容量が足りないという系統問題が背景にあります。連系出力を超える比率が大きい場合、昼の晴天時には、発電電力が余ることになります。

 まずは、過積載によって発電ピーク時に売電できない余剰電力で水素を製造し、FCVなどに供給する仕組みが考えられます。こうした水素システムが、現在の固定価格買取制度(FIT)の下で導入可能なのか、現在、経済産業省に確認しています。

――パシフィコ・エナジーが美作市で計画する2サイト目のメガソーラー計画は、太陽光パネル容量が240MWに対して連系出力150MWと、過積載率が大きいのが特徴です。

萩原 メガソーラー事業と並行して、連系出力以上に発電した電力を使って水を電気分解して水素を製造する技術開発に取り組めないか、事業者に提案しようと思っています。水を電気分解すると、水素と酸素が発生します。水素のほか、酸素も何ら形で活用できないか、勉強しているところです。

 美作市の上山地区では、現地NPO法人がトヨタ・モビリティ基金の助成を受け、トヨタ車体の超小型EV(電気自動車)「コムス」を活用し、中山間地域の次世代モビリティを目指した社会実験を実施しています(図2)。メガソーラーによる水素製造が実現すれば、EVにFCVも加え、電気と水素を最適に組みわせた実証事業に発展させることも検討課題です。

図2●トヨタ車体の超小型EVを使った社会実験
図2●トヨタ車体の超小型EVを使った社会実験
(出所:一般社団法人・上山集楽)
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