独自の山梨方式

 しかし白地だからこそ思い切った方法に打って出ることができたのかもしれない。山梨県は2020年の4月から、改正新型インフルエンザ等特別措置法に基づく形で、いわゆる接待を伴うバーやスナックなどの遊興店や劇場といった8種類の業態・施設に法的罰則のない休業協力を要請した。

 ただ罰則がないとはいえ、県からの休業要請である。このご時世、従わなければ世間の仕打ちは冷たい。

 そこで長崎知事のとった方法は明確で画期的だった。

 「もちろん国の方針ですので、最初の緊急事態宣言が発出されたときには山梨県でも休業要請を出したのですが、それを解除することに関しては県独自の方法を取らせていただきました。どういうことかというと、県が示した基準『感染拡大予防ガイドライン』を満たしてくれたお店に関しては、個別に休業要請を解除していったのです」

 具体的なガイドラインの内容は、30分に1回の換気や入場者の制限、人と人との間隔を最低1メートル確保するなど「3密」対策、客やスタッフのマスク着用や定期的な手指消毒、入場者の入り口での体調確認──など合計17項目だ。

 「県のスタッフもそうですが、業界団体の手も借りて各店舗の事情や対策方法を聞き取り、本当に基準をクリアしているのかを『見える化』していきました。さらに県の示した基準をクリアするためにかかるお金の助成も行いました」