在宅介護の限界

 「老親を自宅で介護したいという思いはもちろん尊い。これをないがしろにしてはいけません。ただ、やはり限界はあります。そんなときに受け入れ態勢が整っていなければ、介護を担う家族に無理を強いることになります。少なくとも山梨県ではそういう状態をなくしたいと考えています」

 そこで打ち出したのが「介護待機者ゼロ」の実現だ。

 「もちろん、私自身の実体験からくる危機感もありますが、山梨県は他県に比べて介護に関する潜在的な問題を抱えてもいるのです。そのひとつが高齢化率です」

 内閣府の「令和2年版高齢社会白書」によると、2019年の山梨県の高齢化率は30.8%。全国平均(28.4%)よりやや高く、都道府県の順位で見ると24番目、ちょうど真ん中あたりだ。ところがそこから高齢化は急激に進み、日本の高齢者人口がピークに近づく2040年には、同県の高齢化率は高いほうから4番目、41.4%となる見込みだ

* 現在公表されている「日本の将来推計人口」によると高齢者人口がピークとなるのは2042年。都道府県別の統計(日本の地域別将来推計人口)は5年刻みであり、それによると本県のピークは2040年。なお、高齢化率については現在2065年まで推計されており、最も高いのは2065年の38.4%。

 「担当部署の調査では、現在県内で特別養護老人ホーム(特養)に申し込んでいる方のうち、入所の必要性が高い方が約1800人いらっしゃいます。これを少しでも減らすことを目標に、様々な取り組みを始めています。」