介護の問題だけではすまされない

 「介護待機は地域の活力、ビジネスにも影響がでます。例えば老親の介護を施設にお願いして自分は仕事を続けたいと考えていても、待機が長引けば仕事を辞めなければならないかもしれません。いわゆる介護離職の問題ですが、介護待機ゼロが実現すればこの問題も自ずと解決に向かうと考えています」

 では実際、どのような方法で待機者を減らそうとしているのか。

 「1800人待っているのだから、その分の箱物を増やせばいい──という単純な話ではありません。確かに今後も高齢化は進みますが、ピークは2040年頃で、そこからは緩やかに高齢者は減っていきます。そうなると箱物だけが残ることになる」

 長崎氏は元財務官僚らしい視点でそう語る。

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 「まずは既存の施設の有効利用です。現在、山梨県下には116軒の特養があります。全ての定員をあわせると約5000人。その約96%が稼働中です。要するに空きがないということ。ただ、施設に併設されたショートステイがある。これを利用することを考えています」

 ショートステイとは、在宅介護の負担を減らすために1泊2日や2泊3など短い期間を設定して施設を利用する介護保険サービスだ。多くの特養がそのための居室を持っている。基本的な設備は一般の居室と変わらない。これを利用することで、その分の待機者を減らすことができる。

 「ただ、ショートステイも大切な介護サービスのひとつなので、バランスを考えながら進めていくことになると思います」