実現にはお金がかかる

 高齢者施設は特養だけではない。民間企業などが運営する介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅もある。このような施設も有効に利用していこうと模索中だ。

 「私は介護現場の隅々まで理解しているわけではありません。介護待機者ゼロに関しては、担当の部署に任せて進めていくことになろうかと思います。そのために知事である私がやるべきことは、お金の算段だと思っています」

 長崎氏は介護待機者ゼロを実現するためには年間約6億円の追加経費が必要と試算している。そして「高額ではありますが、実現できない数字ではない」と言い切る。

 「私も政治家になる前は、財務省で長く仕事をしていたのでわかるのですが、例えば厚労省に『6億必要だから出してくれ』といくら訴えても、『それじゃ山梨県だけには特別に支出しましょう』なんてことにはなりません。では何をすればいいのか。答えは簡単です。自分たちで生み出すわけです」

 長崎氏は現在、不動産など、県有資産の高度活用・収益力の向上を積極的に行い、その収入増加分などから資金の捻出を計画している。

 「介護の分野にかかるランニングコストの追加分は6億円。確保したお金を基金として積み立て、そこから経費を捻出します。設置する基金は『やまなし教育環境・介護基盤整備基金』とし、基金に積み立てたお金は、介護とともに教育にも当てることとしている。山梨県では1クラス25人の少人数教育を推進していく計画です。今年の4月から県内の小学校1年生に導入し、令和4年度から2年生にも。財源のめどがつけば、これを順次広げていくことになります」

 2回に渡ってお伝えした山梨県知事長崎幸太郎氏のインタビュー。就任直後からコロナ問題に尽力する姿が注目されるが、それ以外の施策についても独自の切り口があった。