図書館の本来の目的は何かを目下検討

 そもそも庁舎はいつまでも必要なのか、という問題意識も持っています。庁舎で行っている行政手続きは本来、市民がご自宅で済ませられるようにすべきです。災害時の対策本部機能をどこに置くかという問題は残りますから、何らかの拠点は必要ですが、まちのシンボルとしての豪華な庁舎は必要ないと考えています。

 高浜には地場産業である窯業の工場が残っています。重量鉄骨造りで骨組みは頑丈ですから、庁舎として再使用することも可能です。その一角に耐震性の高い場所を整えて災害時の対策本部機能を置けるようにし、ほかの場所で日常的な庁舎機能の役割を果たすことも可能です。民間事業者の公募段階では「そうした提案も歓迎します」と話したほどです。

――PFI事業として取り組む高浜小学校の建て替えに関しては、いかがですか。

 議会の理解を得るのが難しいと思いました。議会には総予算と仕様書は示せますが、民間からの提案を受ける前ですから設計図書のような細かな資料は市からは示せません。議会に対しては、市で定めたこうした仕様を満たすものをこれだけの予算で整備することを承認してください、という言い方にならざるを得ない。事業の仕組み上、議会の理解を得て進めていくしかありません。

――高浜小学校では公民館や体育館などの機能と複合化を図っています。実際にその効果がどのように表れるかはまだ見通せないと思いますが、現段階でどのような期待をお持ちですか。

高浜小学校は建て替えに併せて機能の複合化を図る。公民館機能(地域交流施設)、体育館機能(サブアリーナ)、児童センターが新しく加わる(資料:高浜市)
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 公民館機能を担う地域交流施設(「たかぴあ」。2019年4月1日一部オープン)では、高齢者向けのパソコン教室が開かれたり、木工などのものづくりを通じて地域交流を深める施設が運営されたりします。これらの施設運営に関わる市民の方々には、小学校のパソコンや図工の授業に協力したいという意向があるようです。学校側でも、そうした提案は歓迎できるのではないかと思います。

 地域交流施設に関わる市民の方々が、小学校の応援団のような存在になればいいと期待しています。不審者が侵入するような不測の事態が起きたとしても、校内に大人の目や手があれば安心です。地域の大人が常に出入りしているということは、小学校にとって大きな力になるはずです。

――公共施設マネジメントの観点から、今後、手を付けていく公共施設としては、どのようなものが挙げられますか。

 図書館です。図書館の本来の目的は何かという問題を、図書館ボランティアや読み聞かせの会などの利用団体を交えて、関係部署で検討してもらっています。例えばベストセラーをリクエストし借りて読む、来館し新聞や雑誌を読む。それも図書館の利用の仕方であるとは思いますが、高浜市が予算を投じて整備すべき図書館は、そういうものなのか、と疑問に思います。人が集まる施設としての図書館にさまざまな形態のものが登場している中で、高浜市の図書館は誰に向けて何をすべきかを考えていこうという取り組みです。なるべく早い段階で方向性を示していく方針です。

吉岡 初浩(よしおか はつひろ)
高浜市長
吉岡 初浩(よしおか はつひろ) 吉岡 初浩(よしおか はつひろ)1955年愛知県生まれ。1979年、名古屋市立大学経済学部卒業。その後、地元の瓦製造会社などに勤務。1999年、高浜市議会議員に初当選。2008年、不動産管理会社の代表取締役に就任。2009年9月高浜市長に就任。3期目。