“民”の力で「丹波篠山市」を住みよい街に

――賛否が二つに割れてしまっての市名変更となりましたが、2019年5月1日に「丹波篠山市」になってからは、どんな市政の取り組みを考えていますか。

 2019年度の1年をかけてブランド戦略を立て、丹波篠山にはどういう良いところがあるのか、どういうふうに伸ばしていくのか、さらにPRできるようにしたいと思っています。

――具体的にはどのような部分をPRしていきますか?

 一番基幹的な産業は農業で、2009年に「農都宣言」をしています。ずっと昔から農業中心に生活を営んできて、街並みも文化も景観もそれを中心としてやってきているし、全国に誇る特産品があります。これを大事にしていく。

 2015年に始まった文化庁の「日本遺産」*という制度では、最初の年に「丹波篠山 デカンショ節 - 民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶」として認定していただきました。同じ年、「ユネスコ創造都市ネットワーク」(注:国際連合教育科学文化機関。文化の多様性を保持し、世界各地の文化産業が潜在的に有する可能性を都市間の戦略的連携で最大限に発揮させるための枠組み)に「クラフト&フォークアート分野」での加盟も決定しました。

* 地域の有形・無形の様々な文化財群や特色に対して、日本の文化・伝統を語るストーリー「日本遺産(Japan Heritage)」として認定し、国内外への魅力発信や地域活性化を支援する事業。

 (取り組みの)方向性としては、丹波篠山の街並み、農村の景観、自然、文化、農業、こういったものを生かして、地域の活性化に結びつけていくことで、間違いないと思っています。

――今後、「丹波篠山市」をどのような街にしていきたいか、お聞かせください。

 「丹波篠山」という名前にふさわしい魅力ある街をつくっていく。それを市民が誇りに思って盛り上げていくとともに、ここで幸せに豊かに暮らすということですね。市民のみなさんが「結局、自分の幸せは丹波篠山にあるんだ」と思えるための条件を整えなければいけない。働くところや、子育ての条件を整えながら「丹波篠山は幸せに暮らしていけるとこや」となれば、みんなに定着してもらえる。そうすれば、これから地方は厳しい時代を迎えますけれども、その中でも生き残っていけるだろう、と。

――そのためにも今回の「篠山市」から「丹波篠山市」への市名変更は必要だったのでしょうか。

 大きな力になるものと思います。市名は、何も市長が決めて変えたんじゃない。市民のみなさんが投票で成立させて決めたんですから、まさに“民の力”で「篠山市制20周年」を機に市名を変えることができた。これは非常に大きい。これから先も、そういう力をみんなで発揮していく必要があると思っています。

酒井隆明(さかい たかあき)
篠山市長
酒井隆明(さかい たかあき) 1954年11月生まれ。1978年、中央大学法学部法律学科 卒業。同年司法試験合格。1981年、弁護士登録。1995年~2007年、兵庫県議会議員。2007年2月篠山市長に就任。4期目。