ウオーキングが市民の交流を生む

岐阜市(ぎふし)
岐阜市(ぎふし)
岐阜県中南部に位置し、かつて斎藤道三公や織田信長公が治めた城下町。2020年はNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」の舞台として観光プロモーションにも力を入れる。人口40万人を抱える中京圏の中核都市だ
[画像のクリックで拡大表示]

――クアオルト健康ウオーキングの認知度は、まだ全国的には高くはありません。導入に当たってはかなり苦労したのではないですか。

 岐阜市では、以前から歩くまちづくりに取り組み、エリアごとに「まちなか歩きのマップ」を作成したり、ツーデーウオークなどの様々なウォーキングイベントを開催したりしてきました。また、市内2カ所にある健康ステーションをウオーキングの拠点に据えるなど、志民に受け入れてもらえる素地がありました。

 そうした中で、岐阜市のまちづくりのビジョンが、「太陽生命クアオルト健康ウオーキングアワード2018」で評価されて優秀賞を受賞しました。その特典として、認定コースの開発、ガイド養成研修、コースマップの作成などの支援が受けられることになり、導入の追い風になりました。

 今回、岐阜市のシンボルである金華山(標高329m)と、長良川を挟んで対峙する岐阜市最高峰の百々ケ峰(標高418m)の山麓に2つのコースを作りました。いずれも気軽に登れる山として山登りファンが大勢いますが、まだこの山を歩く楽しみを知らない人々もたくさんいます。このクアオルトのコースを巡っていただくことによって、この2つの山の魅力を知ってもらいたいですね。

コースマップも用意して見どころなども解説(資料:岐阜市)
コースマップも用意して見どころなども解説(資料:岐阜市)
[画像のクリックで拡大表示]

 市長に就任する前、私は金華山にちょくちょく登っていました。すると、顔なじみもできて、自然と声を掛け合うようになります。クアオルト健康ウオーキングが定着してくるにつれ、40万都市の岐阜市にそういった交流がたくさん生まれてくることを期待しています。

推進協議会を中心に民間主導で普及を目指す

コースの見どころを説明する柴橋市長。岐阜公園コースでは、織田信長公居館庭園の滝の再現に向けて実験を整備するなど、ブラッシュアップさせていく考えだ(写真:日経BP 総合研究所)
コースの見どころを説明する柴橋市長。岐阜公園コースでは、織田信長公居館庭園の滝の再現に向けて実験を整備するなど、ブラッシュアップさせていく考えだ(写真:日経BP 総合研究所)
[画像のクリックで拡大表示]

――コースは2019年10月にオープンになったばかりですが、これからどう市民や観光客に認知させて行きますか。

 昨年10月にコースを整備してから、まずはインフルエンサーになっていただけるように、各方面にお声がけして200人ほどウオーキングを体験してもらいました。クアオルト健康ウオーキングの良さを知って、これならできると言うことを実感してもらうことができました。

 これからは、一般の多くの人に参加いただけるようなウオーキングの講座*1をやっていきますので、徐々に体験者を増やしていき、併せてガイドとなる実践指導者も育成していきます。

 ただ、できるだけ民間主導で普及や啓発を進めてもらおうと思っています。普及のために「岐阜市クアオルト推進協議会」*2を立ち上げ、協会けんぽや医師会、企業、観光業界などの皆さんに参加してもらいました。

 例えば、温泉旅館組合にも協議会に入ってもらっていますが、旅館のプランとして、朝お客さんと一緒にコースを歩くなど、クアオルトを産業や事業に活用することをどんどんやってもらいたい。我々もいろんな健康講座などを開いて、参加を促していきます。

――医療関係者も推進協議会に入っているのですね。

 岐阜市民病院心不全センター長の湊口信也医師(岐阜大学医学部名誉教授)を中心にクアオルト健康ウオーキングの効果についてエビデンスを取ろうという話を進行しています。岐阜市の取り組みでのエビデンスを学会やメディアに発表することは、大きな説得力となります。医師会をはじめ、医療関係者との連携は、もっと深めていきたいと思っています。

 40万都市でクアオルトをやるというのは、人口が多いだけでなく、各分野のキーマンが揃っているという強みがあります。そのなかでこの先生のような方にもご参画いただくことができるわけです。

*1 岐阜市では、新型コロナウイルス感染拡大予防のため開講を見合わせていた「クアオルト健康ウオーキング講座」を6月に再開する。

*2 所属団体は、大学の有識者、岐阜市医師会、全国健康保険協会岐阜支部(協会けんぽ)、十六銀行、岐阜商工会議所、日本旅行業協会中部支部、岐阜観光コンベンション協会、岐阜県ウオーキング協会、日本クアオルト研究所、岐阜市。