“ホームレス公園”が人の集まる芝生広場に
――中池袋公園を含め、池袋駅周辺エリアでは4つの公園整備を連携させたまちづくりをうたっています。それぞれの公園はどのようなものですか。
15年に策定した「豊島区国際アート・カルチャー都市構想」の下、区の資産である4つの公園を再整備し、民間の事業と結び付けて活性化を図るまちづくりを進めてきました。
一足早い16年4月に完成した南池袋公園は、以前は“ホームレス公園”とも呼ばれ、子どもたちが安心して遊べる公園ではありませんでした。東京電力が地下に変電所と駐輪場を設置するのに伴い、地上部分を明るい芝生の広場に一新させました。
公園の一画に建物を設け、カフェ・レストラン「Racines FARM to PARK(ラシーヌ ファーム トゥー パーク)」が営業しています。公園の管理運営費は、公募で選んだカフェ・レストラン事業者の建物使用料のほか、地下部分を走る東京メトロと東京電力の占有料でまかなう仕組みです。カフェ・レストラン事業者の地域貢献も重視しており、公募に際しては2階の地域貢献施設の運営や共用トイレの清掃を担うこと、売り上げの0.5%を地域還元することを条件にしました。
池袋西口公園は、フルオーケストラが演奏できる円形野外劇場として19年秋にリニューアルします。今年から、ゴールデンウイークに開かれるクラシックの音楽祭ラ・フォル・ジュルネTOKYOの会場に加わりました。
造幣局跡地に20年完成予定の防災公園は、1万7000m2の土地を活用するものです。Park-PFI(公募設置管理制度)の手法を前提に、設計・工事・管理運営などを一体的に行う事業者で構成するコンソーシアムを募りました(18年2月、日比谷アメニス・都市計画研究所・株木建設・NTT都市開発ビルサービスコンソーシアムの決定を公表)。Park-PFIとしては、都内初の事例となります。