人口3万4000人弱の埼玉県宮代町。2022年5月には「第2期公共施設マネジメント計画」(以下、第2期計画)を公表。10年前(2011年11月)に策定した「宮代町公共施設マネージメント計画」(以下、第1期計画)では、「原則として新しい公共施設は建てない」「学校を中心とする『地域の中心施設』に必要な機能を集める」「地域の中心施設に寄せられない施設については、その場で個別更新する」など、全国的にも先進的な基本方針を示し、多くの自治体から注目を集めた。第2期計画では、第1期からどのような進展を目指すのか。2017年の町長就任以来、「人」を中心とした町政運営を目指す新井康之氏に話を聞いた。

(写真:北山宏一)
(写真:北山宏一)

――第1期計画(2011年~2021年)で小・中学校を「地域の中心施設」として位置付けましたが、今回の計画では、「地域の中心施設」の役割について、民間との連携を含め具体的に示しています。その経緯を聞かせてください。

 第1期計画では、学校を地域の中心施設として捉え、機能をそこに集約するという案を提示しました。では、「地域の中心施設」がどのような場であればいいのか、第2期計画では、その「機能と役割」について示しました。厳しい財政状況下で本当に必要な公共施設を維持していくためには、さらなる展開を具現化した提案が必要だからです。

 宮代町は、南北に細長く伸びた地形で、東武鉄道が背骨のようにその中心を通り、3つの駅を中心に市街地が形成されてきました。第1期計画で小学校を現在の4校から3校へと再編する構想を示していますが、これは各エリアに小学校を1校ずつ配置することを想定したものです。この一つのエリアを「コミュニティエリア」、各小学校を「地域の中心施設」として位置付け、地域コミュニティに必要な機能を集約して提供していく構想です。

 地域コミュニティに必要な機能を考えるとき、既にその機能は公共だけでまかなっているものではありません。喫茶店や食堂、スーパー、コンビニなどの商業施設をはじめとする民間施設、地域の集会所のような「建物」も、広場や公園などの「空間」も地域コミュティづくりには大切な要素となります。建物や空間というハードの面からも、機能やサービスというソフトの面からも、町民の皆さんや民間事業者との連携は欠かせません。

宮代町は、南北に細長く伸びた地形に東武鉄道の3つの駅を中心として市街地が形成されている(左)。第2期計画では、この3つのエリアそれぞれに「地域の中心施設」を配置して「コミュニティエリア」を形成、地域間をつないでいく(出所:2点とも宮代町)
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宮代町は、南北に細長く伸びた地形に東武鉄道の3つの駅を中心として市街地が形成されている(左)。第2期計画では、この3つのエリアそれぞれに「地域の中心施設」を配置して「コミュニティエリア」を形成、地域間をつないでいく(出所:2点とも宮代町)
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宮代町は、南北に細長く伸びた地形に東武鉄道の3つの駅を中心として市街地が形成されている(左)。第2期計画では、この3つのエリアそれぞれに「地域の中心施設」を配置して「コミュニティエリア」を形成、地域間をつないでいく(出所:2点とも宮代町)

――こうした考え方に基づいたプロジェクトが、既に動き出していますね。

 今年の5月から6月にかけて、町内4箇所で小・中学校の適正配置に向けた住民説明会を実施しました。まずは今年度から須賀小学校と同地区の和戸公民館の再整備に取り組んでいきます。

 具体的には、2023年度中に須賀地区をモデルとした「地区コミュニティセンター」を、既存施設を利用して開設します。第5次総合計画(2021年3月策定)で設定した事業の一つ「地域の力となる地区コミュニティセンター事業」に当たります。この「地区コミュニティセンター」は、将来的には第2期計画で示した通り、学校(須賀小学校)に機能を移転することになっています。