核家族化が進む子育て世代を支援する「子育てSOS」

――次は「子育てSOS」に関する仕組みを教えてください

 介護SOSが市民の方々に広く受け入れていただけるようになり、こうしたサービスが有効であることがわかりました。それと並行して子育ての面でも同じように、日々の困りごとを解決できる仕組みがあれば、と考えるようになったのです。

 そこで昨年の4月に誕生したのが子育てSOSです。高崎市に住む子育て中の夫婦や、妊娠期の母親などを対象にしています。朝の8時から夜の8時まで、やはり電話1本で家事や子育ての経験があるヘルパーが駆けつけます。こちらは高崎市の社会福祉協議会が現場の実務を担当しています。

 かつて、大家族が当たり前だった日本も、すっかり核家族化が進みました。現在ではシングルで子育てをしている例も少なくない。若い夫婦やお母さんは子育てを手伝ってくれる人が周りにいないのです。

「介護SOS」に続いて「子育てSOS」も需要が増えていると富岡市長は言う(写真:吉成大輔)
「介護SOS」に続いて「子育てSOS」も需要が増えていると富岡市長は言う(写真:吉成大輔)

――子育てSOSのサービスの評判はいかがですか。

 子育てSOSがスタートして約1年半になりますが、多くは掃除や洗濯、お料理などのご依頼です。

 仕事と子育てに追われてどうしようもなくなったお母さんから電話がかかってくることもあるようで、中には「お掃除を他人にお願いするなんて、私はダメな母親です」って泣き出すお母さんもいらっしゃるそうです。

 そんなとき、現場のヘルパーさんは「そんなことないですよ」っていいながら作業を手伝います。そのうちにぽつりぽつりと愚痴を語り始める。作業の代行や補助だけでなく、そうしたやり取りが息抜きになっているという面もあるようです。

富岡 賢治(とみおか けんじ)
高崎市長
富岡 賢治(とみおか けんじ) 1946年8月生まれ。1969年東京大学法学部卒業後に文部省入省。外務省在フランス日本国大使館一等書記官、国立教育研究所長などを経て、2003年より群馬県立女子大学学長に就任。退任後、11年5月から現職。