美郷町でのタイ代表チームの合宿時に実施されたクリニックでは、代表選手たちが地元の中学生を指導した(提供:美郷町)
[画像のクリックで拡大表示]

 この合宿で美郷町の環境がタイのバトミントン関係者に高く評価され、同年8月にタイ・バトミントン協会と秋田県、美郷町、秋田県バトミントン協会の4者による相互の交流キャンプに関する基本合意書を締結しました。2016年にタイ・バドミントン代表チームのホストタウンとして登録を受けました。

 2017年9月にはタイナショナルチームが美郷町で5日間の合宿を実施、この合宿ではタイ代表チームと北都銀行バトミントン部の選手たちが美郷中学バトミントン部のクリニックも実施。中学生たちは世界のバトミントンを体験することができました。

美郷町ではバドミントンが子供たちにも一番人気のスポーツだ(提供:美郷町)
[画像のクリックで拡大表示]

 2018年にも二度目のナショナルチームの合宿が行われました。合宿直後のダイハツ・ヨネックスジャパンオープンでは、男子シングルスでタイのコシット選手が準優勝しました。ついこの前、私たちの美郷町で合宿していたコシット選手と日本代表の桃田賢斗選手が戦う決勝戦。日本人としては桃田選手を応援したい。でも、ついこの前、あそこの体育館で練習していて、歓迎レセプションにも来てくれたコシット選手にも勝ってほしい。複雑な気持ちを持ちつつ楽しい大会でした。そういった思いをまた来年の東京五輪で体験できることを期待しています。

――町民にとっても東京五輪が思い出深いものになりますね

 バドミントンの事前合宿は、一つのきっかけ 通過点だと思っています。できるだけ多くの町民に東京五輪・パラリンピックに関わってほしいと思っています。関わりを感じている人が多くなればなるほど、東京五輪が町民の心の中のレガシーになります。形があるものではないですが、タイのバドミントン代表チームを通じて東京五輪に関わったことがレガシーになる。レガシーを持つことが次に向かうステップボードになると思うのです。

 なぜそういうこと意識するかというと、美郷町が合併して誕生した町だということがあります。合併前の旧〇〇村、〇〇町に対する思いはもちろん大切ですが、それとは別に「美郷町」という枠組みに対する「思い」を持ってほしいのです。

 思いを持つためには語ることができる何かをもつことが必要です。その一つが東京五輪の事前合宿地であり、ホストタウンになったということ。それがより語れるものとして、自分たちが五輪にこう関わったという記憶がつながってくる

美郷町(みさとちょう)
秋田県南東部に位置し、2004年11月1日に千畑町(せんはたまち)、六郷町(ろくごうまち)、仙南村が合併して成立。秋田県の平成の大合併第1号。水の町として名高く美郷町六郷として「水の郷百選」に選定されている。人口1万9466人(2019年8月31日現在)
[画像のクリックで拡大表示]