新しいプレーヤーが出てくる兆しも

――新しいプレーヤーの育成は、対面でのコミュニケーションができないと難しいのではないでしょうか。

 そうした面は確かにありますが、一方で新しいプレーヤーが出てくる兆しも見えています。これまでは地域活動に興味を持つのは圧倒的に高齢者の皆さん、次いで専業主婦の方々であり、現役世代の特に男性はとても少ない状況でした。しかし、先ほども述べたように、在宅ワークの普及によって地域活動や地域のつながり、地域のお店の大切さに気付く現役世代の人が増えました。

(オンライン・インタビューの画面より)

 それから、これはコロナ禍以前からの傾向ですが、近年では50代の男性が「地域デビュー」に悩んでいるという話を聞きます。「地域と関わりを持たないまま働き詰めで定年退職した場合、そのあとにちゃんと楽しい生活が送れるのだろうか」といったお悩みですね。地域と関わりたいと考える現役世代の男性は確実に増えています。

 そうした人がコロナ禍により、地域に目が向いたことで、地域活動に加わったり、地域ビジネスを始めたりするようになると、街にとっても大きなプラスです。こういう人たちは、ICTをはじめ様々なツールを使えるので、これまでの地域活動にも、広がりが出てくる効果も期待できます。

市が判断基準を提示し、市民の活動を側面支援

――活動を持続させるために市や市民の皆さんはどんな工夫をしていますか?

 屋外やオンラインに場を移して活動を継続している市民団体もあります。例えば、生駒市内で生産された旬の野菜を公園などで販売する「青空市」、自宅で育てた花をSNSで共有する活動、地元飲食店のテイクアウトやデリバリー情報を共有する活動、ステイホームの過ごし方を語り合うオンラインイベントなどが行われました。生駒の魅力を写真で発信するコミュニティ「イコマカメラ部」では、オンライン会議システム用の背景素材を無償提供してくれています。

 一方、自治会主催のイベントは行政のイベント以上に難しいようです。感染があった場合に責任が負えないということで、開催自体を見送ってしまいがちです。そこで、市が「三密」を避けてイベントを開くための判断基準を示しました。それを基に各課が実情にあわせて、野菜の直売会、健康体操などのシチュエーションごとに具体的に条件を示す。「判断基準を遵守すれば開催できる」「市が判断基準を示してくれたから大丈夫」という心理的な担保になるようで、皆さんに喜んでいただきました。

 また、市は、店舗支援事業「さきめし」を営むGigi(福岡市)と自治体で初めて協定を締結し、「さきめしいこま+」という事業を展開しています。応援したい地元のお店から利用チケットを買っておいて、コロナ禍が収束したら飲食や商品購入にチケットを使うというサービスです。さきめしは当初、飲食店だけが対象というお話でしたが、交渉して他の業種にも広げていただきました。このチケットに市が利用金額の30%を上乗せした「さきめしいこま+プレミアムキャンペーン」は、多くの方の利用を呼び、チケット完売、市内事業者の支援につながりました。