三重県桑名市では、公民連携ワンストップ対話窓口「コラボ・ラボ桑名」を2016年10月に開設した。政策経営課公民連携推進係の職員2人が担当する。政令指定都市など大規模な自治体以外でこうした窓口を設ける自治体は珍しい。窓口設置により、どのような変化が起こっているのか。伊藤市長に聞いた。

(写真:大崎 康平)
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――公民連携のワンストップ対話窓口「コラボ・ラボ桑名」を設置した経緯を教えてください。

 私が桑名市長選に出馬した時、「全員参加型の市政」を掲げました。役所だけで物事を解決していける時代ではないですし、いろいろな人たちと連携をして、課題を解決するような市に変えていこうと訴えたのです。

 例えば高齢者の見守りは、市役所の職員や民生委員だけでは限界があります。そこで、新聞販売店と協定を結び、新聞がたまっていることに配達員が気付いたら、すぐに市に連絡をもらえるようになっています。ほかにも宅食サービスや銀行の窓口、スーパー、コンビニ、など、たくさんの企業・団体と協定を結んでいます。犬の散歩を通じて地域の防犯活動に取り組んでいるグループ(自主防犯組織「わんわんパトロール隊『くわな歩ワン官』」)とも、見守りの協定を結びました。犬の散歩をしている時に何か異変があったら教えてもらうというものです。

 民間からの提案もしっかり受け止められるような体制をつくり、税金を効率よく使う姿勢を打ち出したいということから、2015年、政策経営課に行政改革・公民連携推進係(現・公民連携推進係)を創設しました。当初は、市役所の中にデジタルサイネージを置いたり、公共施設でネーミングライツを導入したりといったシンプルな広告事業への提案募集が中心でした。

 民間事業者と話をしていくうちに分かってきたのは、柔軟性に対する温度差です。行政側が書いた仕様書に対し、民間事業者からすると「ここをもう少し柔軟に考えてくれれば提案しやすい」といった声が何件か寄せられました。仕様書を作成する前に対話をすれば、民間が提案しやすい仕様をつくることができ、税金をより効率よく使った課題解決につながります。そこで、より幅広く提案を募るためのワンストップ窓口「コラボ・ラボ桑名」を2016年10月にスタートさせました。

コラボ・ラボを介した公民連携のイメージ(資料:桑名市)
民間提案の流れ(資料:桑名市)
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