「地域の合意」が課題

上坂 土地改良区が最も多いのは、農業用水を管理し、自身が利害当事者のため、用水を利用した発電事業を計画・運営しやすいからです。

全国小水力利用推進協議会の上坂博亨代表理事・富山国際大学教授
(撮影:日経BP)

 また富山県内では、県や市など行政による公営事業として早くから小水力が開発されてきました。この場合、収益は広く地域に還元されるため、理解が得やすくなります。

 これらの事業主体に比べ、企業や住民など民間による開発が4カ所に留まっているのは、やはり「地域の合意」を得るのに時間がかかるためです。

ーーメガソーラーの開発でも、地域外の資本が投資して利益を吸い上げる「植民地型」に対しては、反対運動が起きるケースがあります。

上坂 そうですね。民間主体のプロジェクトにも、地域の人が取り組む場合と、地域外の企業などによる場合の2タイプがあり、当然、地域外に売電収益が流出してしまうケースでは、地域社会には抵抗感が強くなります。

 ただ、地域の人たちが主体になった場合なら、すんなりとプロジェクトが進むのかというと、必ずしもそう簡単ではありません。

 「地域の合意」を得るうえで、問題になりやすいのが、「内水面漁業権」です。内水面漁業とは、河川や湖沼などの内水面で行われる漁業や養殖業のことで、これらを行う権利は、河川や湖沼周辺地域の共有財産になっています。