百五銀行(三重県津市)は2002年にPFI専門担当者を配置し、PFI/PPP事業支援に取り組んできた。蓄積したノウハウを活かして地元に限らず全国でPFI事業に参加、地方銀行トップクラスの実績を誇る。2017年には「みえ公民連携共創プラットフォーム」を設立し、幅広い公民連携事業の支援に力を入れる。同行でPFIを担当するストラクチャードファイナンス課の井村亮太課長代理に同行の取り組みや現状、今後の展望について聞いた。

銀行とシンクタンクによる推進体制で多くの案件に関与

百五銀行ソリューション営業部 ストラクチャードファイナンス課の井村亮太課長代理。2006年4月に百五銀行入行。 メガバンクへの出向を経て、2015年より百五銀行のPFI担当者として従事、現在に至る。(写真:森田直希)
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――現在の取り組み状況について教えてください。

 弊行でPFI事業を担当するのは、ソリューション営業部の中に設けたストラクチャードファイナンス課です。担当する主な業務はファイナンスアレンジメント(融資組成)業務となります。PFIは融資組成業務の1つという位置付けです。以前は地域創生部にPFIを担当するストラクチャードファイナンスチームとして存在していましたが、2019年度から現在の体制になりました。

 ソリューション営業部にはストラクチャードファイナンス課のほか、ビジネスマッチングなどを担当するコンサルティング課、事業承継・M&A支援課、資産承継や資産運用のコンサルティングを担当する資産トータルプランニング課があります。弊行ではPFI事業をプロジェクトファイナンス分野と捉えて従来から活動を続けており、推進体制をより強化するために2019年にソリューション営業部内にストラクチャードファイナンス課が新設されました。

 業務としては、PFIのファイナンスアレンジメント(融資組成)業務、エージェント(事務管理)業務、投資(レンダー参加)業務の3つを行っています。

百五銀行でPFIを担当するソリューション営業部の組織図(出所:百五銀行作成資料)
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 PFI事業は長期にわたる事業がほとんどのため、我々フロント部門とは別にバック部門として事務統括部という事務管理部署を設け、エージェント(事務管理)業務を行っております。SPC(特別目的会社)が実際に維持管理・運営業務を始めてからも銀行として能動的、効率的にお客様をサポートする体制を整えているのが弊行の特色です。

 また、PFI事業は自治体が検討を開始されから発注までに2~3年、公募から落札・建設・完工までにさらに2~3年、というように長い年月がかかります。事業化にかかるアドバイスから資金調達にかかる手続きまでの様々なフェーズで、自治体と民間企業双方にサービスをご提供する必要があるため、弊行は長期的に業務を担当できる人事サイクルで対応しています。私もメガバンクへの出向経験を含めて6年間PFI事業に従事しています。

――百五総合研究所もPFI事業に取り組んでいますね。両者の役割分担について教えてください。

 弊行グループのシンクタンクである百五総合研究所も、PFI事業の専任担当者5人を置いて体制を整えています。百五銀行では一般的な事業スキームなど自治体の事前検討に関する助言やSPC向けプロジェクトファイナンスアレンジメント業務、エージェント業務を担当しているのに対し、百五総合研究所ではPFI事業を検討している地元自治体への導入可能性の調査などの支援や、SPCなどの民間事業者へのアドバイザー業務などを担当。民間事業者の事業収支計画や提案書の作成にかかる支援も行っています。

 百五銀行グループとして地域の相談窓口としての発案・検討から、事業の実施まで多様なサポートを提供しています。

百五銀行グループのPFI取組体制(出所:百五銀行作成資料)
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