せっかくやるなら「成果に応じて対価をいただく」

――次に長野県川上村での健康増進プログラムが17年11月に始まりました。牧之原市の場合は高齢者向けでしたが、川上村では若年層向けへと対象が変わっています。

 川上村の場合は、人口減が課題だったということがあります。子どもが少なくなって、そのうえ20代になったら都会に出てしまい、過疎化が進んでいた。そこで、「まずは若者にもっと元気になってもらって、結婚や出産などを支援していきたい」とお考えでした。そうしたことから、20~30代を対象にしたプログラムを提供させていただくこととなりました。川上村の場合は、若者がより健康的になり、“村力”の底上げを行うことで村全体のイメージを上げていきたいという狙いを持たれていたんですね。

 お話を聞くと、自治体ごとに悩みどころは違います。RIZAPの1対nの自治体向けプログラムは、必ずしも高齢者向けのメニューだけではなく、若年層の運動不足解消が悩みであれば、それに対応したプログラムを提供させていただくことも可能です。

――なるほどそうなんですね。一方でサービスの料金体系で見ると、最初の牧之原市と川上村の場合は1人当たりいくらといった料金でしたが、3つ目の伊那市のプロジェクトからは新たに「成果報酬型」になりました。

 はい。牧之原市と川上村の実績を受けて、代表(瀬戸健社長)ともいろいろ話をして、せっかくやるなら、やはり「成果に応じて対価をいただく」という我々のポリシーを大事にしていきたいと。そして、自治体向けプログラムにおける、“成果とは何か”ということを考えました。

 伊那市は、健康長寿の街として保健福祉事業に力を入れており、今回は共同で健康づくり事業ができないかと話がありました。そこでRIZAPではまず、参加する住民の方々の成果となる、体力年齢の改善という健康スコアの向上にコミットする。そうしてさらに、自治体の悩みである財政面の改善に寄与したいと考えました。つまり、参加する住民の方々の健康面、自治体の財政面の両方の成果にコミットしていく。それを目指し検討していったのが、伊那市での成果報酬型のプログラムになります。

成果報酬型の自治体向けプログラムの基本モデル(資料:RIZAPグループ)
成果報酬型の自治体向けプログラムの基本モデル(資料:RIZAPグループ)
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――成果報酬について、もう少し詳しく教えていただけますか。

 伊那市の場合、具体的には、まずプログラム終了後に「体力年齢」が10歳以上改善する成果が上がった参加者の方の人数に応じて、1人当たり5万円の対価をいただきます。

 そしてなおかつ、参加者にかかった医療費が大きく下がった場合、成果に応じて成果報酬をいただきたい、という提案です。少し詳しく言うと、参加者の医療費をプログラム実施前後の3カ月間で比較して、医療費の削減額の半額がプログラム終了直後の人数分の対価総額を上回った場合は、その差額分を上乗せして頂戴するというものです。

――そうすれば、事業として採算が合うということなんでしょうか

 実際、どれだけ医療費が下がるかというのは、我々にとっても未知であり初のチャレンジですので、検証はこれからなんです。結果がどれだけ出るかというところを見てから、ブラッシュアップするとか、そうしたことをしていこうと思っています。また、結果が出るのであればすぐに公表していく。こうしたところで悩まれている自治体の方は非常に多くて、社会貢献という意味でも、何かお役に立ちたいと思っています。

 プログラムを採用いただいても、まったく結果が出なければ、報酬をいただく資格がありません。そう思っていますので、我々も責任を持ってやらせていただきます。成果を上げれば上げるほど、自治体にとっても、RIZAPにとってもいい形になる。魅力のあるプログラムにするためにも、必ず成果を出すということです。