──高齢化がますます進んでいきますが、障害者対応は高齢者対応にもつながりますよね。

 例えば目が見えない、耳が聞こえないという障害と同じことが、高齢者にも起こります。高齢者には同時に複数の症状が現れる上に、その人数もどんどん増えていきます。高齢者のニーズは、障害者のニーズを統合した状態ですから、障害者のことを理解せずして高齢者の理解はあり得ません。

 そして、人口が減少していく日本においては、障害者や高齢者が外に出てお金を稼ぎ、お金を使うことが社会的、経済的意義にもつながります。それがもっと日本を、地方を元気にしていくことにつながるはずです。

──今後、東京オリパラ、大阪万博を控え、日本の街づくりはどのように変化していくとお考えでしょうか。

 ここ数年でも劇的に変わっている実感があります。JR山手線の新橋駅や中央線の御茶ノ水駅は、構造上無理だと言われ、エレベーターが設置されていませんでしたが、東京オリパラ開催が決まったら設置が実現しました。

 1970年の大阪万博のとき、旧国鉄阪和線・我孫子町駅に日本ではじめて点字ブロックがついたのがきっかけで全国的に点字ブロックが普及していきました。今回も2020年、2025年に向けて、新たにより多くの街が暮らしやすさという視点で変わっていくチャンスですし、実際に変わっていくだろうと予測しています。このときに時代の流れに任せるのではなく、意志をもって企画し、実行していくことにより、充実度と速度は各段に上がります。無駄なく効率よく進めていくことが大事です。

垣内俊哉(かきうち・としや)
ミライロ代表取締役社長
垣内俊哉(かきうち・としや) 1989年愛知県安城市生まれ。立命館大学経営学部在学中の2010年、株式会社ミライロを設立。13年一般社団法人日本ユニバーサルマナー協会代表理事、15年日本財団パラリンピックサポートセンター顧問、16年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アドバイザーに就任するなど、障害を価値に変える「バリアバリュー」の視点から、企業や自治体、教育機関におけるユニバーサルデザインに取り組んでいる。(写真:菊池一郎)