宮城県丸森町で「復興型」の熱中小学校を<

 もう一つが、新たに宮城県丸森町に移って今年からの開始を目指す「復興型熱中小学校」です。私の事務所も移転し、「オフィス・コロボックル・ノマド」という名称で新たに始めます。

 丸森町は昨年10月の台風19号で大きな被害を受けました。もともと丸森町は熱中小学校を開校する候補地として昨年から自治体と調整を始めていたのですが、当初は町おこし予算案に計画が乗らないなどで検討を断念した経緯があります。しかし、台風に被災して役所の体制は一変し、震災復興を最重要と考えるようになった。現在では物理的に被災した建物を復旧させていくフェーズですが、中期的には町の再興という視点から新しい人材や企業の育成・誘致が必要だと考えるようになりました。

 そこで今年1月から私のオフィスを丸森町の起業家育成シェアオフィス「CLUSTA(クラスタ)」に移転する形で「復興型の熱中小学校」という企画を進めていくことにしました。

 丸森町では現在、企業の意志のある人23人を「町おこし隊」として採用し、外部コンサルタントの力を借りて3年間で起業させていく計画です。私(堀田氏)はここでも用務員として調整役を務めます。

 今年は9月までの間に3回程度のオープンスクールを実施するほか、6月には生徒40人ほどで熱中小学校の「丸森復興分校」を開く計画です。復興が最優先でお金もないため、クラウドファンディングで資金を手当てするほか、先生もできるだけボランティアで交通費や宿泊費をかけてでも丸森町にやってきたいという方をお呼びしていこうと思っています。

 新しい時代を地方が生き抜いていくため、地方でも大人が学び続けていく機会をもっともっと提供できたらと考えています。新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大して、熱中小学校も米シアトルなど6校が一時的に休校となっていて、ネットでの授業再開も模索しています。

 しかし、やはり熱中小学校は地方に集まって熱気を伝え合うのが重要だと思っています。その点で、特に首都圏など大都市圏での人口や経済の集積に対しては、見直すべきとの機運が高まってきているのではないでしょうか。宮城県丸森町や旭川市江丹別など4月以降の開講を目指している熱中小学校でも、首都圏の方が参加する比率が高まっています。地方にワークシフトしていくことは熱中小学校にとっても追い風だと思っています。

堀田一芙(ほった・かずふ)
一般社団法人 熱中学園代表理事
堀田一芙(ほった・かずふ) 1969年慶応義塾大学大経済学部卒、日本アイ・ビー・エム入社。PC販売、ソフトウェア、ゼネラルシステムの各部門で事業部長などへて常務取締役。1976年インディアナ大学MBA取得。2007年に59歳で日本アイ・ビー・エムを退社し、2011年の震災を機にオフィス・コロボックルを開設して熱中小学校を含む地方創生プロジェクトの支援を開始。2019年3月に一般社団法人・熱中学園を設立し代表理事に就任。多くのハイテク企業でも顧問や取締役などを務めた。
訂正履歴
初出時、2ページの写真キャプション中「高畑熱中小学校」とありましたが、正しくは「高畠熱中小学校」です。お詫び申し上げます。記事は修正済みです。[2020/5/18 17:45]