地場の宅建業者にコーディネートを期待

――改正法に盛り込まれた対応策は、コンパクトシティの実現に向けて自治体が策定する立地適正化計画と関連付けられています。それも、コンパクトシティの実現にはスポンジ化への対応は欠かせないという考え方の表れですね。

 はい。改正法で定められた対応策の多くは、立地適正化計画で定める都市機能誘導区域や居住誘導区域に限って利用できるものです。これらの区域はコンパクトシティを実現していくうえで重要な場所だからこそ、各自治体が公共として対応策に乗り出すことを可能にしているわけです。

――スポンジ化への対応策の基本とは何でしょうか。

 コーディネートに次ぐコーディネートです。例えば空き地が発生すれば、それを安く譲り受け、隣が空き地になるのを待つ。そしてその土地もいずれ譲り受けることができたら、2つの土地をまとめて開発する。時間をかけてコーディネートを重ねていくことによって、その地域の生活環境を改善し、価値を上げていくわけです。

――コーディネートは行政、民間どちらの役割となりますか。

 例えば、埼玉県毛呂山町では地元の宅建業者がコーディネーターの役割を果たしています。駅前に狭い宅地割りの住宅地があるのですが、そこで空き家が発生すると、その宅建業者が隣地の所有者に、その空き家を購入し、敷地を広げないか、と持ち掛けて2つの住宅を1つに集約するなどして、空き家や空き地が顕在化して住宅地の価値が下がらないように努めてきたわけです。宅建業者のビジネスとしては決して稼ぎがよい仕事ではないようですが、自分のまちという覚悟を持ってこつこつと地道に続けてきたのでしょう。

 地場の宅建業者に対しては、国もコーディネーターとしての役割に期待を懸けています。国交省が定める「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」という告示が改正され、2018年1月以降、売買価格400万円以下の空き家の売買で売り主に請求する仲介手数料は、上限額が事実上、引き上げられました。低廉な空き家のコーディネートの活性化を想定したもので、期待の表れと言えます。

 コーディネートの一端を自治体が担うことも重要です。山形県鶴岡市では、地元の宅建業者を中心に設立されたNPO法人と市がコーディネーターの役割を果たしています。空き家や空き地の所有者と民間事業者とが最初から信頼関係を結ぶのが難しいことがあるため、空き家や空き地の所有者を特定し連絡を取ったりする最初の段階には公共が関わっています。