道外や海外の人を「最初に案内しよう」という施設に

――球場を移転して、少しずつ施設を増やしていってという計画ですが、究極の目標、この事業を実施することによって、一番成し遂げたいことは何でしょうか。

 私がいる間には成し遂げられないかもしれませんが、「困った時にあそこに行ってみよう」と思ってもらえるような場所になりたいなと。例えば、育児で行き詰ったお母さんが行くところでもいいですし、恋愛に悩んだ男女でもいいのですが、そんな人が「とりあえずあそこに行って気持ちを落ち着かせよう」とか、「気分転換しよう」と思ってくれるような場所になれたらいいなと思っています。何かが楽しいとか刺激的というよりも、意外と最後はそれが大事なのかなと。

 そのためにもいろいろこだわっています。通路もできるだけ広くして、ゴミゴミとせせこましい感じにはしたくないと思っています。土地は32ヘクタールと潤沢にあると言われますが、余裕を持って施設を配置していくと、それほどたくさんのものは入れられない。でも、そうしたこだわりが、「北海道のシンボルを目指す」ということなのだと、自分なりに理解しています。

ボールパークの建設地。原生林の伐採作業が終盤を迎えていた。2019年12月撮影(写真:日経BP 総合研究所)
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――海外から来た方が帰る時に、一番印象に残った施設とか体験になる可能性もありますね。そうすると本当に北海道のシンボルになるものかもしれません。

 野球をやっていなくても、球場の外観や内観を見ただけでも、来た価値があったと言ってもらえるようにしたい。そして、そうしたところで選手たちにもプレーしてもらいたい。

 友達が道外や海外から来て、どこかに案内しようとなった時、最初に「そこに行こう」と頭に浮かべてもらえるような場所になりたいなと思います。まあ、夢物語のように思われる方もいると思いますが、創造しないことには何もはじまりません。

――先ほど(注:2019年12月)現地を見てきたのですが、原生林の伐採作業がようやく終わるという段階で、確かにここにボールパークができるとは想像しにくかったです。

 いやいや、我々にしてみたら、造成されて初めて皆さんに「本当にやるんだ」と思われるのだろうと思いました(笑)。造成される前は、できないんじゃないかと皆さん言っていましたから。

前沢 賢(まえざわ・けん)
北海道日本ハムファイターズ取締役事業統轄本部長
前沢 賢(まえざわ・けん) 1974年生まれ。パソナ、J・坂崎マーケティング(マーケティングマネージャー)、北海道日本ハムファイターズ(事業推進部長)、パシフィックリーグマーケティング(執行役員)、横浜DeNAベイスターズ(取締役事業本部長)、日本野球機構(侍ジャパン事業戦略担当)などを経て、2015年から現職。ファイターズスポーツ&エンターテイメント取締役を兼務(写真:日経BP 総合研究所)