一般のSNSにはない「安心感」、自治体間のコミュニケーションも

LoGoチャットの利用イメージ(出所:トラストバンク)
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――LoGoチャットの導入自治体数はどのくらいでしょうか。

 LoGoチャットは、2019年11月に正式リリースしてから約1年半で、全国自治体の3分の1に当たる約650自治体(無料トライアルを含む。有償契約の自治体数は約330)に利用していただいています。

 LGWAN対応のほかのツールを見ると、導入自治体数はだいたい10~20くらい。大手ITベンダーだと、住民基本台帳のサービスで400自治体に入れた例はありますが、LoGoチャットは広く利用されているサービスだといえるでしょう。

 当初はチャット自体があまり理解されていなかったため、「電話でいいではないか」「メールと何が違うのか?」といった意見も少なくありませんでした。しかし、実際に使ってみて、チャットツールのよさを理解してもらえたようです。最近は「使い慣れると手放せない」という声をよく聞くようになりました。

 埼玉県深谷市で、LoGoチャットの導入効果を検証したことがあります。約1000人いる職員のほぼ全員がLoGoチャットを使っており、1人当たり年間44時間の効率化、全職員で年間2億円の人件費削減効果に相当する、という結果でした(関連記事)。

――一般のSNSツールでは、あて先を間違えて情報が流出する「誤爆」がときどき起こっており、ネットで拡散されて「炎上」につながってしまうこともあります。

 誤爆を起こしかねないリスクは一部にあると思います。例えば、チャットツールのよさを知っている自治体職員の間では、スマートフォンでLINEやFacebookを使って業務連絡をしていることが結構あります。その方が楽に仕事が進むからです。

 しかし、プライベートのチャットとビジネスチャットは明確に使い分ける、というのが一般的です。両者を一緒にしていると、プライベートで送ったメッセージが職員全員に流れたり、その逆もあったりで、常に誤爆のリスクが付きまといます。もし個人情報を含むメッセージがインターネットに流出してしまったら、大問題になってしまうでしょう。

 業務には、やはりビジネス専用のチャットツールを使うべきです。機密情報を守るためにつくられたLGWAN内でチャットをするからセキュアだといえます。

――全国の自治体同士で情報交換することもできるのですね。

 LoGoチャット上には、全国のふるさと納税担当者だけのコミュニティや新型コロナウイルス対策担当者だけのコミュニティ(ユーザーグループ)など、テーマ別に100以上のコミュニティがあり、担当者同士が「こういうトラブルが起こった場合、皆さん、どう対応されていますか?」といった相談事や情報共有を活発に行っています。インターネットのSNSでは話しづらいような自治体同士の内容であっても、LGWAN内のチャットだから安心して情報交換できるのだと思います。チャットの相手が〇〇市の△△さんと分かる点でも安心感があります。

 ふるさと納税やコロナ対策以外にも、コロナ対応の休業支援金・給付金、広報、テレワーク、行政改革、デジタルトランスフォーメーション(DX)などのコミュニティがあり、自治体から要望があればすぐに新しいコミュニティを設定しています。

 コミュニティに参加しているユーザーは5500人以上いて、例えば新型コロナウイルス対策のコミュニティには400人以上の自治体職員が参加しています。「国からこんな通知が来たけど、どうすればいいの?」という相談に対して、「〇〇省からは、こう聞いていますよ」「ウチもそうすればいいんですね」といった助け合いが生まれています。

 自治体の中には、たった1人で新型コロナウイルス対策を担当しているところがたくさんあり、担当者は人の命に関わる重責を抱えています。しかも、初めての経験で分からないことだらけ。従来なら「周辺の自治体に電話で聞いてみよう」という話になるのでしょうが、隣の自治体の方も「実はウチも分からないんです」と悩んでいたりします。

 そんな状況のなか、新型コロナウイルス対策担当者のコミュニティがある意味は大きいと思います。一瞬で全国の担当者の知恵を借りられるからです。皆が悩んでいるせいか、答える方もすごく親切に対応していて、皆、仲よくなっています。

 一般企業だったら自社のノウハウを競合他社には教えたがらないと思いますが、自治体の間に競争関係はないので、お互いに教え合った方が絶対に得をします。こうした相談や情報共有とチャットツールは非常に親和性が高いといえます。この互助による業務効率化や心の負担の軽減効果は計り知れません。