コンビニの開店を制限する都市計画を見直す

 かつての日本の都市計画は「住まう」場所と「働く」場所を分けることで良好な住環境をつくるという考え方に基づいて行われていました。その結果、第一種低層住居専用地域では、コンビニエンスストアも開店できません。自宅から歩いていける距離にコンビニエンスストアがないと不便だと感じる人は多いでしょう。

 このように、高齢化社会と郊外の過疎化という成熟した街ならではの課題に直面する今は、様々な用途を混在させるミクスドユースが求められています。職住が近接した土地利用への変更が必要なのです。このように成熟した街が抱える課題とその解決策を、自治体と民間と住民で共有していけば、都市計画の変更もスムーズです。これが、私たちが公民連携を推進する目的の一つです。

――「次世代郊外まちづくり」では、目指す街の将来像として「WISE CITY」(ワイズシティ)を掲げています。これは、どのようなことを表しているのでしょうか。

 「WISE CITY」とは、そこに住まう人々が精神的、身体的、またコミュニティにおける人間関係性において健康である状態の期間「健康寿命」を伸ばし、結果的に医療や福祉に掛かる費用の増額を予防するまちづくりを民間が担っていくという主旨です。その結果、自治体の予算や人材を別の課題に充当することができます。

 「WISE CITY」を実現する際に障壁となっているのが自治体組織の縦割り業務です。福祉局、建設局、都市整備局など、部署の業務にとらわれず、各々が健康なまちづくりに対して、横断的に連携していくことを求めたいですね。公民連携課は、公民が連携してまちの課題に対し、包括的に取り組む体制につなげていくことも担いたいと思っています。

次世代郊外まちづくりでは、目指すべき街の将来を「WISE CITY(ワイズシティ)」と名付けた。Wellness:生き生きと健康的に暮らす Walkable:様々な生活要素を徒歩圏に Working:居住エリアで就労 Intelligence:あらゆる生活サービスに関する情報を整備 ICT:情報通信技術 Smart・Sustainable:効率性と持続性の両立 Safety:安全で快適 Ecology:環境配慮型 Energy:省エネルギー Economy:経済的(資料:東京急行電鉄)
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地域利便施設「CO-NIWAたまプラーザ」の貫通広場に立つ東浦亮典氏。「CO-NIWAたまプラーザ」は、コミュニティ・カフェや保育園・学童保育、コワーキングスペースなどを備えている。「CO-NIWAたまプラーザ」を活動拠点とした一般社団法人ドレッセWISEたまプラーザエリアマネジメンツも設立した(写真:加藤 康)
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東浦亮典(とううら・りょうすけ)
東京急行電鉄執行役員渋谷開発事業部長
東京都生まれ。1985年に東京急行電鉄入社。自由が丘駅駅員、大井町線車掌研修を経て、都市開発部門に配属。東急総合研究所出向の後、復職後に新規事業開発を担当。東急電鉄沿線の都市開発戦略策定やマーケティング、プロモーション、ブランディング、エリアマネジメントなどを担当