ガイドラインづくりやモデル事業などが進行中

――推進室での取り組みについて教えてください。

 先に挙げたアクションプランの策定のほか、PFSの国内外の先行事例や各種資料を公開するポータルサイトを開設しました。現在は、PFS実施のための共通的ガイドラインの策定と、自治体におけるPFS事業の導入可能性の検討を支援する支援事業に取り組んでいます。

 ガイドラインは事業実施の参考となるように、基本的な考え方を整理していきますが、事業規模についても言及する方向で検討しています。これまでは「小規模でもいいから、とにかくやってみよう」というスタンスで推し進めてきましたが、ガイドラインにはもう少し“自走”を意識した内容を盛り込みます。

 支援事業は2021年度以降も規模を拡大しながら実施していきたいと考えています。先行事例と同じ課題に同じ手法で取り組むものではなく、社会福祉領域で問題解決を促す新しい手法で行う事業を支援する方針です。内閣府ではこの支援事業での検討事項や検討過程などをとりまとめ、その内容をガイドラインに反映します。

 ただし、現状では、自治体が支援事業に応募できるところまで、案件組成が上手く進んでいないところも多いのが実態です。そこで、2020年度は内閣府の職員をさまざまな自治体に派遣してPFSの勉強会やセミナーを開く取り組みを進めています。さらに2021年度からは外部の専門家も派遣していきたいと考えています。

 また、2021年度以降になりますが、自治体と民間事業者や大学、中間支援組織がPFS事業の組成に向けたネットワークを形成できるような場も用意するつもりです。このプラットフォームで、初期段階の案件をある程度仕分けて具現化に向けて動き出せる体制を整え、モデル性の高いものについては内閣府の予算で別途、案件組成を支援するのが理想的な形だと考えます。

 プラットフォームはまだ検討段階ですが、行政の課題と民間のソリューション(課題解決策)をすり合わせる場にしたいですね。思い描いているのは、中間支援組織が行政の課題を聞いて、PFS事業を仮に構想して、その構想にマッチする民間企業や金融機関などに呼びかけて意見交換や情報共有をするような形です。マッチング以前のサウンディングのような催しをくり返していくのがいいのではないかと思います。

――国の直轄で行うPFS事業もありますか?

 現在、法務省では、直轄で行う再犯防止のSIB事業の検討を進めていると聞いております。まずは、国がモデル的にPFS事業を行い、自治体にもあとに続いてもらいたいという考えです。犯罪者も刑務所を出所すれば地域社会に戻るので、自治体にも国と共に再犯防止に取り組んでもらう必要があり、2016年に施行された再犯防止推進法(再犯の防止等の推進に関する法律)にも、国と地方公共団体の相互連携が盛り込まれています。

 SIBはもともと英国ピーターバラ刑務所で始まっているので、法務省としても、再犯防止分野でのPFS事業の普及に意欲を持っているようです。