「目標未達=PFSの失敗」は誤解
――ガイドラインには、PFS事業がうまくいかなかった場合の事後対応なども盛り込まれるのでしょうか。
事後対応の前に、まず何をもって「PFS事業がうまくいかなかった」と捉えるかも大事な話ですね。PFS事業において成果指標が目標値に届かなかったとき、それをPFSという手法の失敗と捉えることには異を唱えたいと思います。成果の出ないものに漫然と過分な支払いを続けるよりは、成果をしっかり見極めて応分の支出をしたなら、それはPFSのあるべき姿です。
成果が出なかったこと自体は別途検証の必要がありますが、それはPFSという手法の失敗ではありません。PFSの仕組みで行った個々の事業内容自体に効果がなかったということが考えられます。ですがそれも、成果がしっかり評価される分、改善点などが見つかりやすいはずで、次につなげることができるのではないでしょうか。
PFS事業で失敗に当たる事態は、当初想定していたポジティブな社会的インパクトよりもネガティブなインパクトが強く出てしまった場合でしょうね。あるいは、事業が思うように進まず、事業者が途中で手を上げてしまって、予定したより早く事業がなし崩し的に終わってしまうようなことも、考えられます。
そうした案件がもし出れば、当然、原因を検証していかなければいけません。成果指標の設定の仕方や効果の測定、事業者選定のプロセスなどを検証する必要があるので、そうしたことはガイドラインにも盛り込みます。
自治体も事業者も、「PFSだから」と少し背伸びした目標を定めるケースがあるようです。そうすると成果が達成できない可能性は増しますが、それは意欲的な目標設定をしたためであり、従来より費用対効果はあがっている可能性が高いのではないでしょうか。そうしたときに「PFSで問題が起きた」と誤解されないように、その辺りも含めた自治体の理解促進に力を入れていきたいと思います。
内閣府成果連動型事業推進室 参事官
