「公共性」があったからできたオープニングイベント

――山名さん自身は、今年の「水辺で乾杯」にどのように関わったのですか。

 9月9日に、東京の竹芝エリアに新しくできた「ウォーターズ竹芝」(東京都港区)で、「MIZUBEDE KANPAI 2020~新東京水面風景を味わう会」と題したイベントを開催しました。

*ウォーターズ竹芝:JR東日本が事業主体となって建設し、2020年8月にグランドオープンした複合施設。商業施設や劇団四季のシアターなどが入居する。周辺のまちづくりを(一社)竹芝タウンデザインが担う。「MIZUBEDE KANPAI 2020~新東京水面風景を味わう会」は、竹芝タウンデザインとミズベリング事務局が主催した

 水辺の手すりがガラス張りになっていて、水辺のテラスに座ったまま水面が見えるんです。そこで、海に張り出した桟橋部分で、チェリストの袴田容さんにチェロの演奏をしてもらう催しを企画しました。桟橋は基本的に船の乗り降り以外はできないルールになっているので、演奏会の開催に当たって、港区に特別に許可をもらいました。本来なら誰でも参加できるようにしたかったのですが、密になると困るので、招待者を100人に限定して開催しました。

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東京・竹芝で開催した「MIZUBEDE KANPAI 2020~新東京水面風景を味わう会」の様子(写真:2枚ともミズベリング・プロジェクト事務局)
東京・竹芝で開催した「MIZUBEDE KANPAI 2020~新東京水面風景を味わう会」の様子(写真:2枚ともミズベリング・プロジェクト事務局)
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 施設は8月にグランドオープンしていたのですが、大掛かりな催し物をやるのは難しかったようで、オープニングイベントの類いは実施していませんでした。このエリアは、企画や設計にものすごく力を入れていてすばらしい風景を体験できる場所なのに、もったいなかった。そこで、大イベントではなく、「夕日を見ながらチェロの演奏を聴く会という、エレガントで静かなプログラムを企画してみよう」と主催者に提案しました。

 すると、「ミズベリング」の名の下であればやりやすいという話になった。国土交通省がやっているミズベリングと一緒にやるのであれば、社会実験のように、ある種の「公共性」があるとの判断があったんだと思います。

「MIZUBEDE KANPAI 2020~新東京水面風景を味わう会」のイメージビジュアル(資料:ミズベリング・プロジェクト事務局)
「MIZUBEDE KANPAI 2020~新東京水面風景を味わう会」のイメージビジュアル(資料:ミズベリング・プロジェクト事務局)
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 今年はバーチャルな水辺で乾杯が多かった中で、たまたまこういう出会いがあり、現場でチャレンジして喜んでもらえた。それをこうしてお知らせできるのは、我々としても良かったと思います。