住民が主体、行政は周知・啓発で下支え
――新潟市福祉部地域包括ケア推進課係長 金子和雄氏
新潟市福祉部地域包括ケア推進課係長 金子和雄氏(写真:加藤康)

 地域包括ケアを推進するうえで、新潟市では介護予防と生活支援は土台と考え、その充実に取り組んでいます。「地域の茶の間」は、有償の助け合いや通いの場といった困ったときお互いに支え合える仕組みづくりの一環として、推進を図っているものです。財源は介護保険ですが、要支援の高齢者だけでなく外国人も含め様々な人たちを包み込む場にしていきたいと思います。

 新潟市は2007年に13市町村を編入し、8区からなる政令指定都市として新たなスタートを切りました。そのため若い人や様々な世代が住む地域もあれば、高齢者夫婦・単独の世帯が多い地区もあります。高齢者が多い地域では、簡単に人にものを頼めないから日常のちょっとした困りごとが解決できず、それが住み続けられない一因となっています。

 地域の助け合い・支え合いによる生活支援は、この穴を埋め、住み慣れた地域で最期まで暮らしたいという希望をかなえることにつながるわけです。

 ただこれは自治体の力だけではカバーしきれず、高齢者自身の力、すなわち互助が欠かせません。こうした「地域の茶の間」の活動に参加することで、自身の介護予防にもなるという効果も期待できます。

 「地域の茶の間」は、空き家を借りたり、施設の空きスペースを活用したりするなど、開設・運営形態は様々。補助はしますがあくまで住民主体の取り組みで、行政がとやかく言うことはできません。2018年度の補助対象475カ所のうち約400は月1、2回の開催。週に1回は開いてほしいと思っても、運営するのは地域住民だから無理はいえません。市の役割は徹底した周知・啓発だけかもしれません。

 新潟市には、「地域の茶の間」などの支え合いの仕組みづくりを進めていくための「地域包括ケア推進モデルハウス」が9カ所あります。実家の茶の間・紫竹は「基幹型」という位置付けで、「地域の茶の間」創設者である河田さんのノウハウを継承・普及させていく新潟市の地域包括ケアシステム構築の要です。

 河田さんは、30年以上介護・福祉分野で活躍し、有償の助け合いや常設型の地域の居場所を立ち上げた実績があります。そこで市長の決断により、その取り組みをモデルとして全市展開を図っているわけです。自然発生的なものなので設置目標は持っていないのですが、右肩上がりで増えておりもうすぐ600カ所になりそうです。地域包括ケアを支えるインフラとして一定の効果は出ていると考えています(談)

※補助金などの実績による。出所:厚生労働省第2回「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」の新潟市提出資料
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◆「地域の茶の間」への助成
出所:新潟市のウェブサイト
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(1)月1回以上定期的に開催し、参加者がおおむね10名以上の地域の茶の間への助成
(2)週1回以上定期的に開催し、高齢者の参加者がおおむね10名以上の地域の茶の間への助成
(3)週1回開催への移行応援制度  月2回以上定期的に開催し、参加者がおおむね10名以上の地域の茶の間への助成 ※3年以内に週1回以上開催することが見込まれることが条件