ワークショップで市内事業者の参加を促す

  2016年度まで実施したけやき並木通り周辺の試行的事業(約18.8ha)での成果を受け、府中市では2017年度、範囲を大きく広げた北西地区(約755ha)での試行的事業第2弾に向けた説明会を開催した。さらに2018年度にも公募型プロポーザル実施までに市内事業者向けのワークショップを3回開催した。

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試行的事業第2弾では範囲を拡大し、北西地区(市全域の約4分の1)で道路包括管理事業を実施(資料:府中市)

  ワークショップは、市内事業者の参加増を期待してのものだ。前回、市内事業者はJVに参加したものの、代表企業としての応募はなかった。今回は、代表企業として応募できる企業の登場が望まれていた。

  市内事業者の参加は、この事業の要諦であり、さらに積極的な参加が望ましいと府中市では考えていた。背景には、市内の経済活性化はもちろんだが、「市と市内の事業者は、災害時の協力について協定を結んでいる。業務を発注しないのに、災害時だけ協力を要請するのでは、良好な関係を維持できない」(小林氏)という思いもあった。

  ただ、包括管理委託によって広いエリアを一括発注すると、参画できる事業者が減るという懸念を持つ事業者もいた。市は説明会などの場で「例えば、複数の造園業者がJVに参加して、エリア内で分担したり、組合として参加して業務を振り分けたりすることもできることなどを、ていねいに説明していった」(小林氏)という。

  さらに、公募型プロポーザル方式での選考では、160点満点のうち30点を市内事業者の参画、地域への配慮に関わる部分に配点した。

 

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府中市都市整備部管理課の小林茂氏(右)と多田真知子氏(左)

  公募には、前回も含め、4事業者から応募があり、地元中心の岩井・府中植木・日東建設JVが選ばれて契約に至った。このJVを構成する岩井建設工業と府中植木は府中市の企業である。地元企業の参画や地域貢献性が高く評価されての選定だ。

  「市の生活環境部で、毎月20日に府中駅周辺(けやき並木を含む)の清掃活動を行っているが、岩井・府中植木・日東建設JVはその清掃活動をはじめ、市のイベントなどに参加して、本事業の周知に努めている」(多田氏)。また、市内事業者の従業員の多くが地元住民であり、「プライベートでも周りの人と事業についての話ができるのも地元の強み」(小林氏)という。