2021年度から包括委託事業を5カ年に、エリアも市内全域に拡大へ

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2021年度からは、市内全域での道路の包括管理委託を目指す(府中市の資料を日経BP総研が一部加工)

  今回の北西地区での試行的事業第2弾を経て、府中市では2021年度から市全域をいくつかの区域に分けて、道路管理を民間事業者へ包括的に委託していく方針だ。エリアの分け方については、事業規模(委託金)1億円を基準に検討していく。また、試行的事業では2回とも3カ年の契約だったが、2021年度からは5カ年での委託として、事業者が複数年契約のメリットをより享受しやすくする考えだ。

  この事業が成功すれば「市の職員を単純に減らすという話にはならないだろうが、より必要な業務に人員をかけられるはず。例えば、橋梁その他、多くのインフラが老朽化し、より精緻な点検や補修が求められる中で、そうした業務に職員を配置転換できる可能性がある」と、小林氏は期待を寄せる。

  課題は、市全域を4つや5つの区域に分けたとして、それだけの数のJVが組成されて公募に応じてくるかどうか。市も「例えば2グループで5区域を請け負うなど、(契約の)書類だけが増えて競争原理が働かない事態になりかねない」と懸念している。市全域を分割せずに一つの包括委託とすることも考えられるが、それだとどうしても参画できる市内事業者数は減ってしまう。

  市としては市内事業者のより一層の参画を促したいところだ。一方で、今回の北西地区事業の公募型プロポーザルでは、市外の大手事業者のユニークな提案が目立ったという。「ノウハウを豊富に持つ大手事業者の提案はやはり質が高い。2019年度からはワークショップなどを行い、市内事業者の理解促進や育成に努めたい」(小林氏)。

  さらにその先には、市域を超えた包括委託も展望する。「難しい面もあるが将来は、近隣都市と連携しての包括管理や、東京都との連携下で市内の都道の包括管理を民間委託するといったことも理論上は可能」と小林氏。そうなれば、よりスケールメリットの出る事業に育つ。そのためにも、まずは市全域に展開して事業を軌道に乗せたい考えだ。