平日の日中でも、買い物や食事に訪れる近隣住民が

 駅直結のレストラン棟と歩道橋でつながる最大の棟には、地元の野菜が並ぶマルシェ、ラーメンやハンバーガーなどが食べられるフードコート、緑茶を身近に感じられる体験施設などを配置した。このマルシェ棟と同じく国道の西側には、子どもがツリーハウスやミニ列車などで遊べる施設「ちゃめっけ」と、カフェが入った棟も設置した。マルシェとカフェに挟まれた屋外空間は、テーブルやいすが置かれたオープンスペースとして、地域住民の憩いの場になっている。イベント広場として使われることもあるという。

多種多様な農産物が並ぶマルシェ。店頭POPでレシピの提案も。このマルシェに農産物を出荷するJA大井川の組合員は約80人に上る(写真:赤坂 麻実)
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フードコート。緑茶をバンズに練り込んだハンバーガーや、静岡県の食材を使ったオリジナル茶漬けが人気(写真:赤坂 麻実)
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緑茶を自分でいれて、特製ボトルで持ち帰れる体験施設。16種の茶葉が用意されている。料金は500円(写真:赤坂 麻実)
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利用客が茶葉になって製造工程を体験できるアトラクション。設計・制作は東宝映像美術。緑茶4種の試飲付きで料金は500円(写真:赤坂 麻実)
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ツリーハウスはアート建築集団「フォレストワークス」主宰の稲垣豊氏が設計(写真:赤坂 麻実)
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カフェには茶畑をイメージした大階段が(左写真)。バスを待つ人や、子ども向け施設「ちゃめっけ」で遊ぶ子どもを見守る保護者がくつろげるようにした。カフェをプロデュースしたのは、KADODE OOIGAWAの若手社員だ。右写真は「ちゃめっけ」の目玉の一つ、富士山形のネット遊具。こちらも、KADODE OOIGAWAの社員が考案したもの(写真:赤坂 麻実)
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マルシェ棟とカフェ棟の間の屋外空間(左写真)や、パラソルがあるマルシェの東側(国道側・右写真)のオープンスペース。地域住民の憩いの場となっている(写真:2点とも赤坂 麻実)

 来場者数の年間目標は80万人。コロナ禍を受けて、当初の年間目標100万人(地域住民と観光客が年間50万人ずつ)から下方修正したが、2021年1月末までに施設全体の来場者は20万人に達した。平日の日中でも、買い物や食事に訪れる近隣住民でにぎわいを見せている。子ども向けの施設「ちゃめっけ」は県外から訪ねる親子も少なくなく、週末の予約はすぐに埋まる状況だ。

 小林氏は「こんなに来てもらえると思わなかった」と率直に手ごたえを語る。現在は社員が20人、パートやアルバイトが80人いるが、「毎日が(商業施設がにぎわう)週末のようで、まだ人手が足りないほどだ。地域在住の女性を中心に雇用が生まれたことはよかった。県内の大学から新卒採用の予定について問い合わせがあったり、小学校から社会見学の要望があったりして、地域に価値を認められていることをうれしく思う。ぜひ、地域の皆さんが誇らしく思えるような施設にしたい。そうなれば、地域を出て活躍している人の目が故郷に向いて、Uターンのきっかけになるかもしれない」という。