わずか半年で佐賀県での操業を実現

LIGHTzは2019年7月に佐賀市との進出協定を結んだ。左は佐賀市長の秀島敏行氏。右はLIGHTz社長の乙部信吾氏(写真提供:佐賀県)
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有田焼で有名な佐賀県有田町の古民家の並ぶ通り。LIGHTzをはじめ、有田町にもIT企業の進出が盛んになっている(写真:菅敏一)
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 AI(人工知能)開発などを手がけるLIGHTz(茨城県つくば市)も、佐賀県での事業を急速に拡大しているベンチャー企業の1社だ。同社は佐賀県の中でも佐賀市と有田町の二つの都市に拠点を同時に構えることを決断。佐賀県庁の職員と初めて顔を合わせてから、わずか3カ月後の2019年7月に両都市との進出協定を結び、そして同年の10月には佐賀市での操業を開始した。さらには12月に、佐賀県窯業技術センターとの共同でAI開発プロジェクト開始するなど、たった数カ月で様々なことを決断して先に進めている。

 LIGHTzも、進出を決めてからすぐに、パーマネントスタッフ制度を利用して担当職員を任命している。その理由について、LIGHTz社長の乙部信吾氏は、担当職員の地域創生への想いや公務員とは思えない率先力などを認めたうえで、以下のように語る。「佐賀という土地に魅力を感じたのはもちろんですが、そうはいっても我々はよそもの。実際に操業をするまでは不安だらけです。また長い期間、佐賀に根を張るつもりですが、その分、成長をさせていかなくてはならない。そのためには、進出時だけでなく、ずっと佐賀県にはサポートしていただきたいし、できれば気心の知れた方に担当になっていただきたい。パーマネントスタッフ制度は我々のようなベンチャー企業には、本当に心強い制度だと思います」。

 事実、佐賀県に進出してからのLIGHTzの動きは驚くほど速かった。有田町では早速に活動を具体化。進出前にも松尾佳昭町長(松尾町長の発言の詳細は別掲記事参照)を代表とする有田町の担当者と有田焼に代表される「窯業技術の汎知化」をテーマにした事業を検討していたが、具体的に佐賀県窯業技術センターと共同でのプロジェクトを発足させた。また、サッカーJ1リーグ「サガン鳥栖」を運営するサガン・ドリームスと佐賀県とは、AI技術を活用して選手の思考を可視化することで選手を育成することなどを目的にした連携協定も締結した。

 こういった地元企業との連携などの事業内容の話とは別に、実際に進出をするためには事務的な手続きもある。どこに事務所を構えるのか、どのようにして地元で雇用を確保するのかなど。短期間での操業、そして事業の拡大を実現できたのは、佐賀県の担当職員が自分事としてLIGHTzの技術や企業理念などを理解し、そして関係各所に働きかけたことを抜きにしては実現できなかっただろう。