出力抑制による発電インバランス

 みやまスマートエネルギーの電力需給については、2018年の平均で、九州電力の常時バックアップが 65%、商社が15%、市内の住宅屋根とメガソーラーが15%、市場が5%となっている。九電の常時バックアップと商社の両方から購入するのは、一般電気事業者の常時バックアップの購入量には上限があるためである。不足分を商社から購入している。

 九電の常時バックアップは、新電力への供給価格が比較的安く設定され、さらに、1kWh単位で取引できるのが大きな利点となっている。例えば、市場からの購入は50kW単位となるので、「30分間で3%」というインバランスのズレの規定を超えやすくなってしまう。

 第3セクターの出力5MWのメガソーラーからは、発電量の半分を購入している。全量を買うことができないのは、土日・祝日の需要減に柔軟に対応することが難しいためである。

 みやまスマートエネルギーの供給先の契約容量は約5万8000kWだが、公共施設などが多く、土日・祝日の需要は約3分の1に下がる。もし、全量を購入していると、土日・祝日の需要の2倍以上となってしまい、それを市場で4~5円で売ることになり、採算性が悪くなる。

 また、九州電力は、2018年10月13日以降、全国で初めて太陽光発電所に対して出力抑制(出力制御)を実施した。輪番制で出力抑制の対象とし、年内に2巡目に入ったことを明らかにしている。

 みやまエネルギー開発機構のメガソーラーも2回、出力抑制の対象となった(図12)。

図12●出力5MWのメガソーラー
(出所:みやまエネルギー開発機構)
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 みやまスマートエネルギーは、小売電気事業者による再エネ電力の活用に関する「FITインバランス特例制度(1)」の適用を受けている。この制度上、発電量の予想を出力抑制の通知後に変えることができず、当日の発電量はゼロになることから、後日、ペナルティを支払った。

 特例制度(1)では、再エネ発電量は九州電力が予想する。そして、前日の午前に新電力が翌日の需給の予測に基づいて、九州電力や商社などに翌日分の相対取引を依頼する。

 出力抑制の通知は、その後、前日の14時に九州電力から対象となる発電所に通知されるので、すでに締め切られてしまっている相対取引などには反映できない。

 新電力によると、この出力抑制による発電側のインバランスの支払いは、たまたま現在の市況が格安のため、太陽光発電電力の調達コストよりも、インバランスの支払いの方が少なく、収益面で悪影響は受けなかったものの、今後を考えると何とかして欲しいと強調している。

 この出力抑制時のメガソーラーの売電損失は、1回あたり約100万円だったという。