全国からやってくる筑波大生が地域の「関係人口」に

 3地区で行われたロゲイニングの集客人数は総勢200人。上郷と大曽根の2地区は早くも「次回以降も参加したい」と表明した。上郷市街地活性化協議会の土田清さんは、「タブレットをまちおこしに使う柔軟な発想は、若い大学生ならではと感じた。刺激を受け、協議会メンバーの士気もあがっている。今回とは別のチェックポイントを設定し、新たな切り口でロゲイニングイベントを企画したい」と意気込む。また協議会ができたばかりで態勢が整わないなどの理由で参加を見送った地区からも、今後の参加を望む声が上がっている。

 藤田教授は、少なくとも今後も数年は大学主導のロゲイニング運営を続け、地域と大学生とのつながりを継続的に強めたいと考えている。全国からやってくる筑波大の学生たちの多くは大卒業後につくば市を離れるが、R8が彼らにとって愛着のある地となれば、卒業後も繰り返し訪れ、地域と交流しつづけるなど、「関係人口」の増加につながることも期待される。

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左/つくば産ワインの試飲コーナー。「聞いたことはあったけど、飲んだことはなかったのでいい経験になりました」との声も。右/制限時間内に全員揃ってゴールに戻ってきた証拠にタブレットで写真を撮影(写真:吉澤咲子)

「私たちが大事にしたことは地域の資源と住民の皆さんの思いを読み解き、大学生が地域に関わり、ともに何かを作り上げていくプロセス。地域振興は本来、その土地の人々が主体的に進めるのが望ましい。地区の方々が意義を実感してくださるなら、各地区の活性化協議会が主体となって大学生とともにロゲイニングを継続していければ。また、今後は活性化協議会が連携してR8全域をコースにする、さらには筑波山も組み込んだ24時間耐久コースを作る、といった展開も不可能ではない」(藤田教授)。

 大学が活性化協議会から委託費を得て、ロゲイニングを実施するシステムが生まれれば、一定の収入も見込める。つくば市が掲げる「地域が自走するまちづくり」という理念にも合致、周辺市街地のさらなる活性化にもつながるはずだ。

 一方、つくば市はコンペをさらに拡充する。「つくばR8地域活性化プランコンペティション2020」は、賞金総額を前年度の400万円から700万円に増額、「地域ぐるみ活動創生コース」(1件100万円、総額300万円)と「稼げる地域づくり創生コース」(1件200万円、総額400万円)の2つのコースで募集する。「稼げる地域づくり創生コース」では提案者の専門性を活かした事業を地域と連携しながら展開、コンペの実証期間修了後も事業を継続するプランを求めている。

 周辺市街地の関係人口を増やしつつ、地域の価値を向上、「稼ぐ力」をつける――。つくば市の取り組みは実を結ぶのか。しばらくは目が離せない。