岐阜県東白川村(人口2198人・2020年2月末時点)、は村民から空き家の寄付を募り、移住希望者に低価格で提供する「東白川村リユース事業」を展開中だ。14万円で売り出された第1号の寄付空き家の古民家は評判を呼び、問い合わせが180件を超えた。

 岐阜県東白川村は、低価格で空き家の提供を行う「東白川村リユース事業」をスタートさせた。空き家の販売価格は、安いもので1戸10万円台となっている。

下白川村(ひがししらかわむら)
岐阜県東部に位置し、名古屋市まで 90km(車で約2時間30分)。明治22年立村以来、合併も分割もしていない。特産品はひがし白川茶、東濃桧などがある。面積87.09km2、人口2198人(2020年2月末現在)
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寄付によって提供された第1号の空き家(写真:東白川村)
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 2019年7月に村内で空き家の寄付などを呼びかけるチラシを入れたところ、寄付9棟、売買10棟、賃貸2棟の申し出があり、19年12月から月1棟のペースで片付けをして、順次ウェブサイト「東白川村空き家バンク」で公開を進めている。「今後、毎月1戸程度の空き家バンクの登録ができる」(東白川村参事の桂川憲生氏)という。

 寄付によって提供された第1号の空き家は、大正時代に建てられた古民家で、水田、ブルーベリー畑、山林もセットで14万円の売り出し価格となっている。2020年1月22日に空き家バンクに登録をして、3月22日を締め切りとしてエントリーを受け付けた。20人からエントリーがあった。人口対策、村の雇用対策に貢献してもらえるという観点から、近く入居者を決定する予定だ。

 この空き家に対しては、問い合わせが180件を超え、60組113名以上もの人が実際に見学に訪れた。村では、空き家バンクに新しい情報が登録されるとメールで情報提供するサービスも行なっており、その効果が大きかったと村では考えている。

 空き家の持ち主への周知もさらに進めていく。2019年度は、7月に村内向けにチラシを1回配布した結果、寄付された空き家は9棟だった。2020年度は周知範囲を広げ、「都市部に住む空き家の所有者へ、こうした活動に理解していただくよう説明資料を送付する予定」(桂川氏)だ。

寄付だからできる低価格の空き家提供

 なぜ村では、このような低価格で空き家を提供できるのだろうか。村役場が所有者から土地と空き家の寄付を受け付けたことにより、宅地や住宅価格が基本的に0円の調達となったためである。また、空き家の残家財の整理は職員と地域おこし協力隊が中心となって行なっていることから、空き家の販売価格は残家財の処分費のみとなり、低価格に抑えることができている。

 空き家の売買価格は、寄付を受けてから空き家バンクで情報公開するまでに実際の要した実費費用で売買価格を設定し、販売することとしている。管理コストや利益などを上乗せしていない。

 例えば、14万円で募集した第1号の寄付物件については、残家財の処理費とサッシの割れたガラスの取替え費用の合計が14万円であったため、その額を売買価格として設定した。