運営は利用料から得た財源による独立採算

 広場の管理運営に当たって委託料は発生せず、広場の利用料金などから得た収益による独立採算で事業を営む。「公園でも道路でもないので、使いみちの自由度は高い。民間の柔軟な発想に期待している」と前出の上田氏。

 実際に運営を担うのは、商工会議所から事務局として業務委託を受けたまちづくり会社・北九州家守舎だ。北九州市は「リノベーションスクール」発祥の地であり、北九州家守舎はこれを機に2012年に設立された「家守会社」の先駆けだ。船場広場ではイベントへの貸し出しやテナント誘致を手掛ける。開業にあたっては、木製の「ジオデシック・ドーム」と一体になったテーブルとベンチ、プランターを兼ねたベンチを設置した。

「船場広場」の運営スキーム(資料:北九州市)
「船場広場」の運営スキーム(資料:北九州市)
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 北九州家守舎代表取締役の遠矢弘毅氏は「広場に木陰のような居場所が欲しいと考えたが、地面に固着する構造物はつくれない。川に近く、強風が吹くのでテントの常設も難しい。そこで、ひらめいたのがこのドーム(ジオテック)だった」と振り返る。製作にあたってはリノベーションスクールから派生した職人やアーティストのチーム「デッドストック工務店」が駆けつけてくれた。

ドーム(ジオテック)は、広場に計4基設置されている(写真:萩原詩子)
ドーム(ジオテック)は、広場に計4基設置されている(写真:萩原詩子)
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 広場が開業した19年の秋にはジャズコンサートやフードフェスティバルなど大規模なイベントが次々と開催され、事業の出足は好調だった。「オープンスペースの運営は海の家のようなもので、冬になればイベント開催が減ることは予測できる。それも見込んだ上で、年間を通せばなんとか黒字になりそうだった」と遠矢氏は言う。

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2019年に船場広場で開催されたイベントの例。「小倉ジャズ」(上・9月21日)、「発酵ジャパン in北九州」(左下・11月9日)「セーフティドライバーズフェア2019」(右下・11月24日) (写真提供:北九州家守舎)
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2019年に船場広場で開催されたイベントの例。「小倉ジャズ」(上・9月21日)、「発酵ジャパン in北九州」(左下・11月9日)「セーフティドライバーズフェア2019」(右下・11月24日) (写真提供:北九州家守舎)
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2019年に船場広場で開催されたイベントの例。「小倉ジャズ」(上・9月21日)、「発酵ジャパン in北九州」(左下・11月9日)「セーフティドライバーズフェア2019」(右下・11月24日) (写真提供:北九州家守舎)
北九州家守舎代表取締役の遠矢弘毅氏(右)と担当の清原裕也氏(写真:萩原 詩子)
北九州家守舎代表取締役の遠矢弘毅氏(右)と担当の清原裕也氏(写真:萩原 詩子)