コロナ禍以降、キッチンカーの営業台数が増加

 イベントなどの広場利用の基本料金は1日当たり平日10万円、土日祝日15万円(ともに税別)。加えて、月額5万円(水道光熱費込み、2020年度の場合)で、キッチンカーや移動販売車も誘致する。

「THE CUP by craftsman coffee roasters」と石口哲平氏(写真:萩原詩子)
「THE CUP by craftsman coffee roasters」と石口哲平氏(写真:萩原詩子)
[画像のクリックで拡大表示]
「ライダーズカフェ」の古城秀和氏。提供するメニューは実験的に変更を重ねてきた。現在は“キャンプ”をテーマにアウトドア調理を実演してみせる(写真:萩原詩子)
「ライダーズカフェ」の古城秀和氏。提供するメニューは実験的に変更を重ねてきた。現在は“キャンプ”をテーマにアウトドア調理を実演してみせる(写真:萩原詩子)
[画像のクリックで拡大表示]

 19年7月の広場オープンと同時に移動販売車の常駐を始めたのは、コーヒーやラテを提供する「THE CUP by craftsman coffee roasters」だ。店主の石口哲平氏は「当初は1台だけだったので、道行く人に移動販売車の存在を認知してもらうのに時間がかかった」と言う。

 「THE CUP」は福岡・山口のさまざまなイベントに出店しているが、移動販売車にとって「イベント時以外に常駐できる場所はありがたい(石口氏)」そうだ。船場広場周辺は人通りも多く、年を越して2020年に入ったあたりから売り上げが伸びてきた。ちょうどその矢先のコロナ禍だった。「3月の後半ぐらいから、ぱったりと人気がなくなった」と石口氏は回想する。一時は出店場所をスーパーに移すなど、試行錯誤したそうだ。

 19年暮れに出店した「ライダーズカフェ」の本業は、自転車のオーダーメードだ。自社が開発したフードトレーラー「caprice」の展示を兼ね、初めて飲食業に乗り出したという。代表取締役社長の古城秀和氏は「キッチンカーは資金の少ない若い人にとってもチャレンジしやすい業態だ」と言う。

 コロナ禍以降、経済産業省の持続化補助金がキッチンカーに対応したことや、“密”ではない屋外空間で飲食ができるキッチンカーが注目されたことなどが後押しとなり、キッチンカーへの参入意欲は高まりを見せているようだ。船場広場のキッチンカーも、最初の緊急事態宣言が発出されて以降の出店が多い。21年3月時点で、営業するキッチンカーは6台に上るが、うち4台はコロナ禍以降に参入してきたキッチンカーだ。

 20年8月にカレーや焼き鳥、アルコール類も提供する「ハコカフェ」、10月にタピオカやスイーツの「EMELAUDE(エメロード)」が出店。北九州家守舎も、自らレモネード専門店「Ale and ade(エール・アンド・エード)」を出している。21年1月には本格的な厨房設備を備えた「1008panini(センバパニーニ)」が出店。店主の野田貴志氏は福岡市で飲食業のコンサルティングを手掛けており「時短営業に苦しむ飲食業がテイクアウトや移動販売にシフトチェンジする支援をしたい」と語る。実際に、問い合わせは相当数あるそうだ。今回は、まずは自らが出店した形となる。

「1008panini」の野田貴志氏。キッチントレーラー内部に本格的な厨房設備を組み込み、粉からパニーニを焼く(写真:萩原詩子)
[画像のクリックで拡大表示]
「1008panini」の野田貴志氏。キッチントレーラー内部に本格的な厨房設備を組み込み、粉からパニーニを焼く(写真:萩原詩子)
[画像のクリックで拡大表示]
「1008panini」の野田貴志氏。キッチントレーラー内部に本格的な厨房設備を組み込み、粉からパニーニを焼く(写真:萩原詩子)