芝生ボランティアは、市のアダプト制度など活用

 フージャースは、竹園西広場公園を拠点とした地域コミュニティの形成のサポートも行っている。2019年9月には、「BIG TABLE」と称して、隣接するマンションの契約者や地域住民を集めた昼食会を開いた。地元産の野菜を使ったサラダやスープ、公園に面する人気ベーカリーカフェのパンなどを用意し、交流が円滑に進むようにはからった。このほか、ヨガやコーヒーの無料配布など、小規模なイベントも実施してきた。

 フージャースの大東氏は「イベントを通じて公園の認知度を高め、地域の皆さんに日常的に使われる公園になればと考えている。ハレとケでいえば、ケの日にも、当たり前に立ち寄って時間を過ごす場所になるように、お手伝いしていきたい」という。

「つくばイクシバ!」の活動例。2020年10月に、桜の木の植樹活動「mineo green project」を認定NPO法人グリーンバード (東京都渋谷区)とオプテージ(大阪市)、フージャースホールディングスと共同で行った(写真:認定NPO法人グリーンバード)
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 前述のように、近隣住民の手で公園の芝生を維持・管理するプロジェクトも立ち上げた。黎明橋公園(東京都中央区)の芝生管理ボランティアのスタイルを参考にしたという。「つくば市は芝の名産地ということもあり、芝生に関心を持ってくれる人も多い。最初からコミュニケーションを目的にして集まることは難しいが、芝生の育成を目的に集まった人の間で自然とコミュニケーションが生まれる」とフージャースの大東氏はイクシバ活動への期待を寄せる。

 2020年5月から芝生の育て方を学ぶオンライン勉強会を開き、6月には、「つくばイクシバ!」の名称で、市の「アダプト・ア・パーク」団体として登録した。アダプト・ア・パークは、公園の里親になったつもりで、愛情を持って清掃や除草を行う団体(5人以上)をつくば市が募集するというもの。登録された団体には、市が作業に必要な用具を提供したり、その団体が収集したゴミを市が処理したりする制度だ。

 2020年6月以降、つくばイクシバ!は月1回のペースで落ち葉掃除や雑草取りなどの活動をしている。同時にブログやFacebook、Twitterで情報発信をして、参加者を募ってきた。清家部長は「毎回必ず参加しなければ責められるようなムードになってしまうと足が遠のくかもしれない。参加したい人が参加したいときに無理なく参加できるゆるやかなコミュニティを構築することが、活動持続のポイントだと考えている」と語る。

上:竹園西広場公園は市の「アダプト・ア・パーク制度」に登録している。右:ベーカリーカフェでは公園側に向けて看板を設置。イクシバ活動の周知に協力している。(写真:2点とも赤坂 麻実)
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 フージャースでは、この芝生維持活動をいずれは地域へ引き継ぐ考えだ。既に地元企業がリーダー役に名乗りを上げ、自走の道筋が見えてきた。活動費用は肥料代など少額であり、メンバーが個々のスキルを生かして公園で収益イベントを開いたり、寄付を募るサポーター制度を導入したりすることで、まかなえそうだという。