健康を切り口にした2つのショップと施設を導入

 市民、とりわけ総合体育館利用者の“憩いの場”の役割を果たすのが、健康志向のカフェ「STAND×TANITA CAFE」(事業者名:ビバ!グループ 本社:富山市山室)だ。

 中心ラインナップである美容や健康に配慮したスムージーのほか、健康総合企業のタニタが運営するカフェのメニューの一部が採用されている。

「STAND×TANITA CAFE」では、色ごとに美容や健康の効果が異なる5色のスムージーや、瞬発力、持久力などアスリートのニーズに応えたスムージーのメニューを用意。クロロゲン酸が通常の約2倍の「タニタコーヒー プレミアムブレンド」のほか、タニタ食堂のドリンクやフードメニューも順次増やしていくという(写真:佐保圭)
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「STAND×TANITA CAFE」の店長で、フレッシュジュースやスムージーの企画製造・販売などを手がける「ビバ!グループ」オーナーの奥田哲也氏は「30代前後の一般のお客様や総合体育館のスタッフの方が来られます。昼間は高齢のお客様も多いですよ」と話す(写真:佐保圭)
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 スポーツショップ「SHOP×RUNNER」(事業者名:スポーツショップ ランナー 本社:富山市湊入船町)には、ビギナー用から本格アスリート向けまで、シューズやウエアなど、ランニングやウオーキングに関わる幅広い用品が揃えられている。併設された「F-LABO」では、専門家が最新鋭の身体情報計測システムで足の詳細な形や状態を測定。そのデータの解析をもとに、最適なインソールを提案・成形してくれる。また、活動量計つき入会金4000円(税別)、月会費1600円(税別)でRUNNERの会員になると、「H-LABO」でデータを管理しながら、ランニング・ウオーキングのプロスタッフによる、毎月2回程度のランニング・ウオーキング教室に参加できる。

「富山市の郊外で14年、富山市の中心街『富山市民プラザ』で18年、TTSに移って2年で、店は今年で34年目、インソールは10数年前からやっています」と語る「スポーツショップ ランナー」の田中洋氏。現在の「SHOP×RUNNER」の来客数は月平均600人程度で、1人当たりの単価は8000円前後(写真:佐保圭)
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インソールの顧客の30%がアスリートで、残りの7割は一般の方。その半分以上が、65歳上の高齢者だという(写真:佐保圭)
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 交流スペース「STUDIO」は、市民活動の場として利用できるレンタル・スペース。土日祭日は誰でも1時間1500円で借りられ、プロジェクター、スクリーン、ポインター、音響、パイプ椅子(20脚)が使える。ダンスやヨガ、ストレッチなどの簡単な運動の場としてや、スポーツや運動についてのミーティング、健康やフィットネスに関するセミナーなどで利用されている。また、QUICK FITNESS(事業者名:アピアスポーツクラブ 本社所在地:富山市稲荷元町2-11-1)の会員は、「H-LABO」でデータ管理をしながら、平日に毎日3セット(1時間)用意されているクイックフィットネスが利用できる。活動量計つき入会金5000円(税別)、月会費6600円(税別)だ。併設された「H-LABO」では、誰もが自分のBMIや体脂肪率をタニタの体組成計で計測できるほか、QUICK FITNESSの会員は、タニタの活動量計、高性能体組成計、健康管理システム「からだカルテ」を使った健康管理を有料で行える。

交流スペース「STUDIO」。フィットネスの会員の傾向としては、総合体育館の既存の本格的なフィットネスでは敷居が高いと感じてしまうスポーツ初心者や中高年層が多いという(写真:佐保圭)
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「H-LABO」で会員をサポートしているアビアスポーツクラブの五十嵐小百合さんは「この総合体育館には本格的なフィットネスルームもありますが、急に本格的に始めるのが不安な初心者の方や、中高年から高齢の方に、簡単な着替えで気軽に利用していただいています」と話す(写真:佐保圭)
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 これら3つの拠点と2つのラボからなるTTSでは、プロのスタッフがノルディックウオークやランニングを指導する教室、栄養士などの講師による「食育」をテーマとした講演など、幅広いテーマで健康教育的なイベントやセミナーが定期的に実施されている。

 TTSの2017年4月29日のオープンから2018年1月までの実績は、会員登録数が、スポーツショップ115人、フィットネス22人の合計137人、来店者数(購入者など)は、カフェが5300人、ショップは約4100人、フィットネス約1000人で合計1万400人。イベント参加者数は約840人で、体組成計測定者ののべ人数は、会員約1400人を含むおよそ2000人となっている。

 こうして、富山市が取り組む「市民の健康増進」の拠点の役割を果たしているTTSだが、意外なことに、この「市民の健康増進の拠点」という考え方は、リノベーションの計画当初にはなかったという。