静岡市は、他の自治体に先駆けて2018年10月から米シェアオフィス大手「WeWork(ウィーワーク)」の日本子会社(WeWork Japan)が運営するオフィスに入居、シティセールスの拠点として活用している。WeWork入居企業との交流を通じて、市内企業と首都圏企業の新規商談の機会創出や、市の交流人口増を推進する。

 静岡市がWeWorkへの入居を決めたのは、2018年6月、企画課(企画部)と産業振興課(経済局商工部)の担当職員がWeWorkのオフィスを視察したことがきっかけだった。「WeWorkのワークプレースに職員を送り込めば、首都圏の企業と接点が持てる。それも、勢いがあって拠点の拡充を考えているような企業と出会える可能性が高いと思った」――。産業振興課立地環境整備係の福地剛係長(※2020年3月当時。現在は総務局市長公室広報課)は、WeWork入居を進めた経緯を振り返る。

WeWorkで静岡市のものづくり企業の取り組みを紹介するイベントを開催(写真:静岡市)
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市長視察から3カ月でトライアル入居を実施

 同年7月には市長がWeWorkを視察、一気にプロジェクトが動き出した。「経済局の所管事業に限らず、広く市の課題解決に役立てるべき」との市長の考えを受けて、産業振興課と東京事務所が共同でトライアル入居を始めた。2018年10月から3カ月にわたって、東京・銀座の商業施設「GINZA SIX」内にあるWeWorkギンザシックスに個室型の2席の専用デスクを借りて活動を開始した。「年度の途中で予算にないことに取り組むのは難しいが、“あり金”を集めて実行した」と福地氏は振り返る。

 WeWorkでは、市の産業振興課で1席、東京事務所で1席を使用しながら、他のメンバー(WeWorkに入居する企業の担当者や起業家など)との交流に努めた。トライアル期間中は東京事務所の藤澤翔主査が常駐。産業振興課からは週に2~3回の頻度で立地環境整備係の松木喜伯主査(※2020年3月当時。現在は総務局市長公室広報課)が通いつめた。まずは静岡市がWeWorkに入居したことを他のメンバーに認知してもらうこと、市の良さを知ってもらうことに努めたという。