埼玉県深谷市にオープンした「ONE FARM 深谷 Works」は、農業体験ができるテレワーク施設として2021年4月から本格運用を開始した。深谷市が開催した「DEEP VALLEY Agritech Award(ディープバレーアグリテックアワード)2019」においてプロダクト部門最優秀賞を受賞し、市の一部出資を受けて事業化したものだ。

 農業ベンチャーのグリーンラボ(福岡県福岡市)は埼玉県深谷市で、農業体験とテレワークができる施設として、「ONE FARM 深谷 Works」を開業した。植物工場コンテナの一角に併設したワークスペースで、会社員などが本業の仕事をしながら休憩時間などに野菜の世話や収穫を楽しめるという「アグリワーケーション」用の施設だ。グリーンラボは、深谷市が開催したスマート農業のビジネスコンテストで表彰され、賞金として市から出資を受けている。

コンテナやテント、かまどなどを備える「ONE FARM 深谷 Works」。コンテナにはそれぞれ「NEGI」「TOMATO」などの愛称がついている(写真:赤坂麻実)
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「ONE FARM 深谷 Works」の完成イメージ。セミナーなどのイベントが開けるデッキスペースや、ドッグランなどを追加整備していく(資料:グリーンリバーホールディングス)
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サンチュやバジルを育てながらリモートワーク

 「ONE FARM 深谷 Works」は深谷市北部の市立豊里幼稚園跡地に整備され、2021年3月19日にプレオープン、4月には本格運用を始めた。土地の所有者は深谷市であり、市とグリーンラボは3年間の賃貸借契約を結んでいる。

 敷地内には、コンテナ型の植物工場「VEGGIE」に1人分のワークスペースを併設した「VEGGIE Works」を5棟、設置した。VEGGIE Worksは1棟につき32本の縦型水耕栽培装置を備えており、小松菜やほうれん草などの葉物野菜やハーブ類を栽培できる。

VEGGIEは、グリーンリバー社グループが2016年に開発した小型の農業用鉄骨ハウス。大きさは20フィートコンテナとほぼ同等で、トラックなどで運べる。ワークスペースを備えるVEGGIE Worksを設置運用するのは今回が初めて(写真:赤坂麻実)
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 VEGGIE Worksは、DMM.com(東京都港区)が5棟すべてを買い取って、DMM.comの費用で設置。グリーンラボがDMM.comからVEGGIE Worksを借りて、利用者に転貸する。DMM.comエナジー事業管理本部の新藤大介本部長は「楽しみながら農業を体験するという理念に共感した」と説明する。2020年8月にグリーンラボから打診を受けて、すぐに事業参画を決めたという。DMM.comの費用で施設を迅速に設置できたことで、素早い事業開始が可能になった。