4基のバイオガス発電が稼働

 「2050年・脱炭素」を目指し、世界各国で再エネの大量導入が本格的に始まっている。そうしたなかで分かってきたことは、多くの国で開発余地が大きく再エネの主力になるのは、太陽光と風力という出力変動の大きい電源になることだ。そのため、電力系統の安定運用では、大規模な蓄電池の導入が不可欠になると認識されつつある。

 八雲町では、こうした再エネ社会を先取りし、大型蓄電池を併設した世界有数のメガソーラーが稼働している。北海道新幹線の新駅が開業すれば、見学者が増えることも予想される。SBエナジーでは、これに備え、発電施設を一望できる展望台を設置した(図8)(図9)。

図8●見学者用の展望台を設置した
図8●見学者用の展望台を設置した
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
図9●展望台に設置したメガソーラー設備の案内図
図9●展望台に設置したメガソーラー設備の案内図
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 岩村町長は、「メガソーラー運営はたいへん安定した事業でもあり、計画段階では町も出資したいとの要望を事業者に伝えてきたが、最終的に出資には至らなかった」と打ち明ける。それでも年に3億5000万円もの新たな固定資産税収入は町にとって大きい。「将来、蓄電池の革新で運搬が容易になれば、災害時などにメガソーラーから可搬式の蓄電池に充電して町の重要施設に給電する仕組みも可能になるのでは」と期待する。

 八雲町では、次の再エネ事業の目玉として、酪農を生かしたバイオガス発電と、山がちな日本海側での小水力発電の開発に取り組んでいる。また、すでに民間企業が洋上風力発電の事業性調査を始めており、こちらにも積極的に協力していきたいという。

 バイオガス発電は、牛舎などから排出される畜糞をタンクに貯め、嫌気発酵させてメタンなど可燃性のバイオガスを取り出し、それを燃料にガスエンジン発電機を稼働して電気を生み出す仕組み。八雲町では、すでに4カ所の大規模な酪農施設でバイオガス発電を稼働しており、固定価格買取制度(FIT)で売電している(図10)(図11)。1施設の発電規模は定格出力150~200kWになる。

図10●八雲町で稼働中のバイオガス発電施設。蓄糞をメタン発酵させて可燃性ガスを取り出す
図10●八雲町で稼働中のバイオガス発電施設。蓄糞をメタン発酵させて可燃性ガスを取り出す
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
図11●八雲町で稼働中のバイオガス発電施設。発酵後の廃液は液体肥料として活用
図11●八雲町で稼働中のバイオガス発電施設。発酵後の廃液は液体肥料として活用
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]