オフィス改革は職員減を働き方改革でカバーするため

 西予市がオフィス改革に取り組み始めたのは、2014年秋のことだ。きっかけは、人口減少につれて市職員の数が減ることに対する危機感からだ。「職員が減っても、市民へのサービスは維持しなければならない。そのために業務の効率化、質の向上は不可欠だった」。亀岡敦志行革推進係長はこう振り返る。陣頭指揮をしたのは当時、総務省からの出向で企画財務部長だった大平利幸氏(現・内閣官房IT総合戦略室参事官補佐、西予市政策アドバイザー)。「役所の常識だった部局の縦割りを排し、横断的な連携が生まれるようにする」と、改革に着手した。

 まず実施したのはペーパーレス化だった。なぜか。当時、部局を越えたコミュニケーションをとろうとしても、話し合いのできる場が近くにはなく、わざわざ別の階の会議室まで行かなければならなかった。そこで書類を減らすことでその保管スペースを削り、生まれた空間をコミュニケーションの場に充てようとしたわけだ。「それまでは分厚い資料を作っていた予算編成の作業も、スクリーンに投影して行うように変えた」と山岡薫彦・前財政課長は話す。

ノートPCを持ち寄って会議を行っている。紙の資料はできるだけ使わない(写真:編集部)
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 書類が減った2015年春に、最初のレイアウト変更を行った。変更前は奥の窓際を管理職の席が占め、手前に課ごとの机の島が並んでいた。そして課の間は書類棚で仕切られていた。そこで、まず仕切りを撤去。机の島を平行ではなく扇状に角度をつけて並べ、扇の要の位置に各課長の席を置いた。これによって「隣の課が何を考え、何をしているのかが分かるようになった」(山岡前課長)という。さらに、互いの距離が縮まった課長席の背後には、打ち合わせスペースを新設した。

 さらに改革を進めた現在のオフィス・レイアウトの特徴は、職員が自分の仕事の「モード」に適した場を選べるようにしたことだ。中央には課ごとに仕事を進めるための「チーム」席を設けた。一方、課の全員分の席はあえて用意せず、フリーアドレスとした。「チーム」席の面積は、かつての各課のスペースの半分だ。書類の保管スペースもレイアウト変更前の半分にした。空いたスペースには、「コラボ」「プレイ(リフレッシュ)」「ウエルカム」などテーマを設けた空間をつくった。

●西予市役所4階のオフィス・レイアウトの変遷
2015年春までのオフィスレイアウト。課ごとに仕切られていたので、隣の課とのコミュニケーションがとりにくかった(資料:西予市)
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2015年春に行った1回目のレイアウト変更。課長同士の席を近付け、そこに打ち合わせスペースを新設した。ここを“作戦本部”と位置付けた。(資料:西予市)
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2016年11月に完了した2回目のレイアウト変更。仕事の内容によって席を使い分けられるようにした(資料:西予市)
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「チーム」席の様子。袖机はなくした(写真:編集部)
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