将来は4つの支所をサテライトオフィスに

 今回の本庁舎4階のリノベーションは、庁舎全体のオフィス改革を推進するうえでのモデル事業との位置付けで、約1000万円をかけた。内訳は、什器購入に約630万円、PHS導入に約230万円、間仕切りやカウンターなど内装改修に約180万円などだ。

 さらに2016年度には庁舎のICT化として、電子決済・文書管理システム導入に約950万円、各階会議室の無線LAN環境構築に約800万円などを投入。オフィス改革を支える仕組みも整えた。

 「ただし、これでオフィス改革が終わったのではなく、環境がそろっただけ。これからどう業務の質を向上させるのかが問われる」と亀岡係長は気を引き締める。

 また、これらの出費とは別に、市はオフィス改革の連携協定を結んだ京都工芸繊維大学に対して400万円を寄付。連携先の3者がワークショップ開催やオフィスレイアウト設計にかけた経費は、この中から賄っている。連携協定の内容としてオフィス改革の効果測定も含まれており、3者は7月をめどに報告書を市に提出する予定だ。

 一部の市民や市議からは、オフィス改革に関する出費を疑問視する声も聞かれるという。亀岡係長は「必要性をしっかり説明して、できるだけ早く本庁舎全体、さらには市内の4つの支所のオフィス改革も進めていきたい」と意気込む。

 特に支所のサテライトオフィスは、5つの町の合併で生じた課題を解決する場として期待がかかる。2004年の合併で同市が誕生して以降、職員を本庁に集中して配置するようになり、かつての町役場だった現在の支所の職員数は減っている。それによって、市民に遠く離れた本庁まで足を運ばせる機会が増えている。また、災害発生時には職員が本庁から駆け付けなければならず、時間がかかるようになった。

 「支所が本庁同様の環境が整ったサテライトオフィスとして使えるようになれば、市民の要望に応じて本庁の職員が支所に出向き、本庁と同じサービスを提供できる。田舎こそICT化で受ける恩恵は大きい」と亀岡係長は語る。この構想が実現すれば、合併した自治体の“働き方改革”のモデルとなるかもしれない。