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市有地の無償貸し付けや地銀の協力でビジネスホテルを誘致、坂東市

地域活性化ファンドなど活用し資金を調達

坂井 敦=フリーランス【2017.6.6】

茨城県坂東市で2016年12月、市内初のビジネスホテル、「ホテルグリーンコア坂東」がオープンした。宿泊施設がほとんどない同市にとって、ホテル誘致は以前からの大きな課題。交通アクセスの悪さといったハンディキャップを抱えながらも、条例の制定や多彩な資金調達手段の活用、事業会社のユニークな出店戦略などが相まって、念願の誘致を実現した。

 坂東市は、茨城県南西部に位置する人口約5万5000人の街。かつての岩井市と猿島町(さしままち)が合併し、2005年に誕生した。市名の「坂東」は、関東地方の古称で、平安時代には坂東一円を制した平将門が、この地に本拠を構えたとされている。

 2016年12月、この街の中心部に市内で初となるビジネスホテル、「ホテルグリーンコア坂東」がオープンした。地上7階建て、延べ床面積3240m2の規模で、120の客室を備える。土地は市有地で、市が建物を所有する特別目的会社(SPC)と30年間の定期借地契約を締結し、貸し出している。それまで昔ながらの旅館が数軒あるだけだった坂東市にとって、ビジネスホテルの誘致は以前から大きな課題だったという。

ホテルグリーンコア坂東の概要
ホテルグリーンコア坂東
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住所:茨城県坂東市岩井3315-5
最寄り駅:東武線愛宕駅駅からバス25分、つくばエクスプレス守谷駅からバス35分
面積:土地3174.65m2、延べ床3240.08m2
階数:地上7階
構造:RC造
客室数:120
事業者:ホテルグリーンコア坂東特定目的会社
運営者:ナビ(金子包装ホールディングスの子会社)
開業:2016年12月

 「当市には、開発工事中や計画中のものも含めると4つの工業団地がある。今年2月には圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の茨城区間の全線開通で市内にインターチェンジ(坂東IC)もでき、ビジネスマンの宿泊需要が見込める。年間約45万人が訪れる『ミュージアムパーク 茨城県自然博物館』、11月の『岩井将門まつり』といった観光資源もある。しかし宿泊の受け皿がなく、せっかくの宿泊客が他市に流れていた」(坂東市企画部企画課の田中豊係長)。地元経済界からも、誘致を求める声が数多く寄せられていたという。

岩井将門まつりは1972年から続く坂東市の秋の風物詩。当日は「坂東市いわい将門ハーフマラソン」も開催される(写真:坂東市)
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 市では2013年ごろから、いくつかの金融機関の協力を得ながら、ホテル誘致の可能性を探っていた。相談を受けた地元地方銀行の常陽銀行(本社:水戸市)でも、大手ビジネスホテルチェーン十数社に出店を打診。しかし興味を持つ会社はまったく現れなかったという。「坂東市は国内でも珍しく、市内に鉄道が通っていない。隣市の最寄り駅から中心部までは、バスで25分〜35分くらいかかる。大手チェーンが出店するのは、政令市などの大都市や駅前が基本で、彼らの戦略に合致しなかった」(常陽銀行地域協創部の小松崎光一副部長)。

 そこで常陽銀行では、地方のホテル会社にターゲットを変え、出店の意向を探った。そんななかで関心を示したのが、隣市の古河市に本社を置く金子包装(現金子包装ホールディングス、本社:埼玉県幸手市)だった。

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